9,周りから見たら ページ9
__貴方Side__
「ないくん、」
「ん?」
「肩、濡れてるよ」
横をふと見ると、ないくんの肩が傘から出て、服の色を変えている。
「あ〜、いいの!帰ったらすぐに風呂入るし!」
「よくないよ、風邪引いちゃうから!」
半ば強引に傘をないくんの方へと押し戻す。
すると、ないくんがなにかを思いついたかのような顔をした。
「A!もっとこっち!」
「っん、、?!」
急に肩を引かれ、ないくんとの距離が一気に0センチ。
「さっ、流石に近い、、、//」
「まあまあ、これしかないし!」
「「…………」」
少し無言が続き、雨がアスファルトを打ち付ける音だけが耳を通っていく。
「あ、あのさ、」
沈黙を破ったのはないくんだった。隣に目線をやると、
「っ〜、、連絡先、聞いてもいい、?//」
そんなことを、耳まで赤くして尋ねてくる。
「もちろん(笑)生徒会のこともあるしね」
それからお互いの連絡先を交換して、他愛のない話をしながら駅へ向かって歩くと、ホームまではすぐだった。
「着いちゃった〜。A、駅から家までどのくらい?」
「?、歩いて15分くらいだけど、、」
そう答えると、ないくんは雫が滴って畳まれた傘を私の方へ突き出してくる。
「俺、駅からは兄貴が車で来てくれるから、貸す!濡れるでしょ?」
今日2回目の優しすぎるないくんの言葉に再度驚きながら、首を横に振った。
「流石に借りれないよ、、(笑)」
「いいからっ!!じゃないとここまで濡れなかった
意味ないし!」
傘の持ち手を握らされて、今日は甘えることに。
濡れて風邪とか引いたら、ないくんの優しさが無駄になると思ったから。
「今日だけ借りるね、。ごめんね、、」
「ん!いいよ!じゃあまた明日、連絡するね!」
「うん、ほんとに助かりました、ありがとう!」
それからないくんに手を振って別れ、電車で窓の外を眺めながら、今日あったことを振り返る。
___帰り道、周りから見たら、
どう見えてたんだろ、____
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作者名:桜 紅羽 | 作成日時:2022年10月2日 21時