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第131話 sk ページ38

「えー、…あ、普通のラーメン?」
「ぶー。
正解は、ラーメンの煮玉子トッピングでした。」
「近いから正解じゃない?」
「なんでだよ。」


阿部ちゃんの謎ルールに笑う。


「じゃあ俺昔と同じチャーシュー麺にしよ。」
「なら…煮玉子トッピングしとこっかな。」


あの時と同じ注文。
すぐ出来上がって、テーブルに運ばれてきた。
やっぱりラーメンってすぐ食べられるのは良いけど、好きな子と来るとちょっと勿体ないことした気分になる。


「はい、チャーシュー。」
「またくれるの?」
「そりゃここまで来たらやるっしょ。
聖地巡礼ってそういうもんだから。」
「アニメかよ。」


くふくふ笑う阿部ちゃん。


「心に残る風景ってこと。
目の前の阿部ちゃん含めね。」


そう、一人で来るんじゃ意味なんて無くて。
阿部ちゃんと来れたから、俺はラーメン屋一つでここまで浮かれてるんだよ。





「ごちそうさまでしたー!」
「ご馳走様でした。」


阿部ちゃんと店を出る。
これでまた一週間、プライベートで会うのは我慢だ。


「今日はありがとう。
また来週ね。」
「うん、楽しみにしてる。」


そう返したら、阿部ちゃんはそっと俯いて


「…このまま一緒に帰れたら、ラーメンの味のキスも出来たのにね。」
「…そうだね。」


デビューして、プロジェクトを始めて、確かに俺達は色んな物を手に入れた。
知名度も人気も話題性も、ちょっと前じゃ考えられないくらい手に入れた。
でもだからこそ、今日はここでお仕舞いにしなきゃいけない。
手紙のやつ、叶えてあげらんなかったな。

そんなことを考えていたら、阿部ちゃんが顔を上げた。


「でもまたいつか、…そう思ってて良い?」


その顔は、笑ってた。
眉毛、下がっちゃってるけどね。


「うん、必ず叶えようよ。」


きっと俺も、同じような顔してんだろうな。


「じゃあ、今日は帰るね。
俺こっちだから。
おやすみなさい。」
「うん、…おやすみ。」


あの時みたいに、くるりと阿部ちゃんが背中を向けた。
日付を超えられないから大人しく見送る。

だけどさ、変だよね。
ラーメンがすぐ出てきてちょっと勿体なく思っちゃうことも、その背中を引き止めたくなることも、昔と何も変わらないのに。
どうして俺は、あの頃みたいに阿部ちゃんを幸せにするって、一番大切なはずのことを一番だと思えなくなったんだろう。
泣かせてでも、無理やりにでも、俺のものだと思わせたいなんて。
昔の俺が聞いたら、なんて言うんだろう。

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葉子(プロフ) - ゆきのさん» この音声が公開される日はあるのか否か…、ですが、この事務所なら切り貼りしかねないですよねぇ!どうやってこの沼から脱出するのか、誰がその一歩を踏み出すのか、ぜひ見届けていただけたら嬉しいです! (2021年2月6日 22時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - かおるさん» この小説で何度目だ!?と突っ込みが来そうな展開で申し訳ありません(汗)相変わらず可哀想なあべさんです…。さくまさん視点更新しますね…! (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - みなみさん» 忘れずにいてくださったことに感謝です…!下書きが最近あまり進まないのですが、こんなに長い丁寧なコメントいただけたので、すごく励みになりました!頑張ります! (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - みなみさん» ーの助けはあると良いですよね。事務所側にも完全に陥れられている状態なので…。さて、mmさんがどう振る舞うか、iwsk、iwfkがどうなるのかは、さすがに愛の権利4で明かしたいところです!後者二つは最近mmab案件で完全に放置しているも同然な扱いですみません…!最早 (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - みなみさん» 文明の進化ってある意味厄介なところありますよね、リアルでも。と、思っている機械音痴な私です…!今までのことも譲るのが1万歩だったことに思わず笑ってしまいました(笑)そんなに譲歩してくださるとはある意味お優しい!(笑)確かにこれだけ泥沼化しているのでメンバ (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:葉子 | 作成日時:2021年1月17日 0時

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