第139話 ab ページ46
「ああ、そうだよ。」
俺の問いかけに、平然と返される答え。
「写真もあるけどね。
ま、タレントを守る側としては動画なんて厄介な時代になったと思ってたけど、使いようだよね、なんでも。」
そう言って白い三角、つまり再生ボタンをタップしようとするマネージャーさん。
「っ、待ってください！」
「え、何？」
聞き返しながら、いや、ほとんどあんなの振りだ。
あっさりと、目の前で動画が再生される。
暗いけど、街灯に照らされて、そこにいるのが俺とめめだってことが分かる。
だから俺からめめにキスしてるのも、一目瞭然だった。
「あれ。」
マネージャーさんがそう言いながらタブレットを持ち直して何か操作をしてる。
ああもう、頼むから止めて欲しい。
「こんなの、メンバーに見せるもんじゃないんじゃないですか。」
横からめめの声がして、応戦しようとしてくれているのが分かる。
だけどマネージャーさんはどこ吹く風って感じで。
「何言ってるの。
メンバーだからこそ知っておかなきゃこれからの対応に困るでしょ。
あ、聞こえるかな。」
再びこちらに向けられる画面。
明らかにキスを繰り返してるのが分かる。
それから画面の端の表示で、さっきの操作が音量を大きくしてたんだってことが分かった。
あれ、待って。
どこまで、拾われてる？
怖くて、とにかく何か言って止めてもらわなきゃと焦りばかりが増して、結局言葉が出てこない。
だって、写真だからいくらでも言い訳がきくと思ってた。
それが動画だなんて。
でもその焦りを嘲笑うように、タブレットからは、
「れん、もっと、」
と言う俺の声が、部屋に響くように流れてきた。
「どうして…。」
呆然と、それだけ呟く。
けど、誰も何も言わなかった。
いやきっと言えなかったんだと思うけど、静まり返った部屋は、画面の中で求め合うかのように見える俺とめめだけが僅かに動いている以外、まるで凍りついてるみたいだった。
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葉子(プロフ) - ゆきのさん» この音声が公開される日はあるのか否か…、ですが、この事務所なら切り貼りしかねないですよねぇ！どうやってこの沼から脱出するのか、誰がその一歩を踏み出すのか、ぜひ見届けていただけたら嬉しいです！ (2021年2月6日 22時) (
レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - かおるさん» この小説で何度目だ！？と突っ込みが来そうな展開で申し訳ありません（汗）相変わらず可哀想なあべさんです…。さくまさん視点更新しますね…！ (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - みなみさん» 忘れずにいてくださったことに感謝です…！下書きが最近あまり進まないのですが、こんなに長い丁寧なコメントいただけたので、すごく励みになりました！頑張ります！ (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - みなみさん» ーの助けはあると良いですよね。事務所側にも完全に陥れられている状態なので…。さて、mmさんがどう振る舞うか、iwsk、iwfkがどうなるのかは、さすがに愛の権利４で明かしたいところです！後者二つは最近mmab案件で完全に放置しているも同然な扱いですみません…！最早 (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - みなみさん» 文明の進化ってある意味厄介なところありますよね、リアルでも。と、思っている機械音痴な私です…！今までのことも譲るのが1万歩だったことに思わず笑ってしまいました(笑)そんなに譲歩してくださるとはある意味お優しい！(笑)確かにこれだけ泥沼化しているのでメンバ (2021年2月6日 21時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉子
| 作成日時：2021年1月17日 0時
