課題7 ページ8
『うーん……流石に言い過ぎたかなぁ……』
「そうか?あいつ派手に喜んでたぞ」
『予算もあるだろうに……』
「あいつなら上手くやるだろうよ」
「嘉柳の助言なら更に美味くなるな!今度食べに来よう!」
『……そうだな』
「宇髄せんせー!」
「煉獄先生〜こっち来てくださーい!」
「うげ……」
「む……」
『……人気だな。邪魔者は退散させてもらうよ』
「ちょ、邪魔じゃねえから!」
「待て嘉柳!」
『生徒優先。早く行きなよ』
「……?」
焦る2人を置いて廊下を歩いた。向かった先は職員室ではなく
「何の用だね」
『なに、ただの暇つぶしだよ』
「暇つぶしでここに来てもらっては困るんだが煉獄」
『そう言わないでよ』
化学準備室の丸椅子に腰掛けた。
「片割れはどうした?いつも引っ付いているだろ」
『……』
「……笑顔を崩したくないのは分かるが、言いたいことがあるなら溜め込まない方がいい。特にお前は」
『……』
上げていた口角が徐々に下がり、何だか心も悲しくなってきた。
「……五限まで時間があるな。少し待っていろ」
『……うん』
伊黒は奥に引っ込み、しばらくしてマグカップを2つ持って戻ってきた。
「何があった。お前には恩がある、俺でよければ聞こう」
『……ありがとう』
置かれたマグカップを手に取ると、苦くも心地よい香りが漂った。
『……本当に大人げが無いと自分でも思うんだが……隣にいた人間が誰かに取られると思ってしまうのは良い気がしないな……』
「……大体分かった」
コーヒーを一口含んで伊黒は目を閉じた。
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年4月29日 9時