煉獄家長女、教えます。弐【キメツ学園】

問題21 ページ23

学校が夏季休業に入った。しばらくは学校に行く必要も無くなった。





『おはようございます』

「おはようございます。まだ寝てても良いんですよ、せっかく先生も夏休みに入ったのですから」


夏休みと言っても私は生活リズムを崩す気は無い。


『もう体に染み付いてるので』

「杏寿郎と千寿郎と慎寿郎さんはまだ寝ていました」

『起こしますか？』

「いえ、まだ良いでしょう。昼近くに起きてなければ起こしてもらえますか」

『分かりました。……どこか用事が？』

「今日は婦人会の日」

『あぁ……うん、分かりました。昼ご飯は私が作ることにしよう』

「頼みますよ」

『母上は楽しんで来てください』

少し微笑んで母上は洗面所に消えた。私も卵焼きの最後の層を焼き終わる。


『……よし』

保存の効く朝食にして正解だったな。父上だったら昼まで寝ていそうだ。杏と千は10時までには起きてくるだろう。その時に温め直して食べさせよう。







「『いただきます』」


「毎日作らせてごめんなさいね」

『私がやりたくてやってるんだ。それに、母上は多忙ですから少しでも負担は減らしたい』

「……そうですか。ありがとう」

『美味しいでしょ？』

「ええ」


たまには母上と2人の食事も良いなぁ。






┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「では行ってきます」

『行ってらっしゃい』



午前9時。母上が出掛けても起きてくる人はいなかった。




『……あ』


そういえば実弥に生徒資料を預けっぱなしだった……不味いな、学校に保管しなければならないのに。……取りに行くしかないか。


この時間であれば行っても迷惑はかかるまい。







【用事が出来たので少し家を出ます。朝食は温めて食べてください。嘉柳】


と置き手紙をして家を出た。

問題22→←問題20

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す