煉獄家長女、教えます。弐【キメツ学園】

問題16 ページ17

「っだーもう！！暑苦しいんだよお前！！」

「ちょ、善逸！声が大きいぞ」

「んだよてめぇ！」

「なんで学校にそんなもん持ってきてんだよ！今夏だぞ！？」

「俺のもんだから良いだろ！！」

「おい伊之助も……」

「見てて暑苦しいんだよ！」

「善逸……」





『何をしてるんだ？』

「あ、嘉柳先生……」

『昼休みまで喧嘩とは……疲れないのかい？』


「こんな規則違反のもの持ってきてんのがそもそもおかしいんだよお前！」

「キソクイハンってなんだ！？」

「お前ほんっとに日本人！？」


話がズレてるような……


『嘴平。今回は我妻の言うことが正しいよ。暑苦しいとかは抜きにしても、これは学校には持ってきてはいけないものだ』

「俺の宝物だ！」

『宝物なら尚更持ってきてはいけない。もし傷付いたり失くしたりしたら取り返しがつかないだろう？』

「っ……」


まだ何か言おうとする嘴平の肩に手を置いて



『肌身離さず持っておきたいのは分かるが、大事なものは家で保管するべきだよ』

「……分かった」

『うん。とりあえず今日はもうしまいなさい。ただし、次持ってきたら悲鳴嶼先生に取り上げるよう伝えておくよ。良いね？』

「分かってる！」



チャイムが鳴った。



『さ、みんな体育館に行こうか。終業式だよ』



「あ！そうだった……」

「行こうぜ炭治郎！」

「ああ。伊之助も」

「しまうから待ってろ！」

「早くしろよー」




「煉獄」

『あぁ冨岡』

「行くぞ」

『うん』





「あ……あの冨岡が……！？」

「先生を付けろ善逸！」




『今日で一学期が終わりか』

「鮭大根」

『分かってるさ。夏休みに入ったら奢ってやる』




「え……嘉柳先生の話ガン無視じゃん」

「嘉柳先生も慣れてるみたいだから怖いな……」

「何してんだ早く行くぞ」

「待ってろって言ったのお前じゃん！」



『冨岡も夏祭り行くだろう？』

「？」

『宇髄に誘われなかったか？』

「……誘われてない」

『……まったくあいつは』

「だが俺は嫌われてない」

『嫌われてはいないよ。みんなで夏祭りに行くんだ、君も行こう』

「ああ」

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