問題23 ページ25
家に帰ると話し声が聞こえた。
『起きてたんだね。おはよう』
「おはよう!」
「おはようございます姉上」
『父上はまだ起きてないのかな』
「昨日も夜遅くまで稽古していたからな」
『数少ない門下生だからなぁ……』
どうやら朝食も食べ終わったようだ。
『あ、片付けてくれたのか。ありがとう』
「いつも作ってくれているので兄上と」
「千寿郎のおかげですぐ終わった!」
『そうか。……ふむ、今日は何をしようか』
仕事は既に片付けてしまったし、家事は母上が出る前にやってしまった。残った仕事といえば昼食作りと洗濯物の取り込み、夕食の買い出しと調理だろうか。午前中にすることは無い。
「母上は?」
『婦人会の集まりで午後に戻ってくるそうだ。昼ご飯は4人で食べてとの事だったよ』
「……あ、姉上」
『ん?』
「今日、友達から遊びに誘われていて……その……」
申し訳なさそうな顔をする千。
『うん、行ってくるといい』
「え……」
「せっかくの夏休みなのだから思い切り遊んで来い!」
「良いんですか……?」
『何を遠慮しているんだ千。家のことは私と杏に任せなさい』
「……じゃ、じゃあ」
聞くと、千も昼食は外で済ませるとのこと。
「何?ならお金が必要だな!」
「いっ、いえ!そんな」
『持っていきなさい』
私と杏は揃って千円札を差し出した。……ブラコンだと?
断じてそんなことは無い←
「遠慮するな千寿郎!」
『楽しんでこい!』
「えぇ……あ、ありがとうございます」
家を出るまで千は困り顔だったが、私達としては可愛い弟の為なら多少の出費は痛くも痒くもないのだ。
『さて……』
「……!おはようございます父上」
『あ、おはようございます』
「あぁ」
『……父上も何処かに出掛けるのですか?』
部屋から出てきた父上はいつもの着物ではなく、ポロシャツにスラックスというシンプルな服を着ていた。
「竹刀と道着と袴を見に行く。昼は外で食べてくる」
「そんな遠い所まで行くのですか」
「千葉だ」
『……分かりました』
まったく、父上は剣道のことになるとどんな事もしてしまうな……良い事なのか悪い事なのか。
「結局2人になってしまったな」
『うん』
2人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すみた先生(プロフ) - 星猫さん» ありすぎて文字数足りないので、次話で答えさせていただきます!質問コメントありがとうございます!! (2021年3月27日 17時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか? (2021年3月27日 17時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年1月27日 21時