命令9 ページ13
生い茂る草の陰に身を潜める日向、影山、月島。
月島「はぁ……全員で固まるのが危険なのは分かるのに、何で君らと……」
日向「し、仕方ないだろ……!月島に着いていけば大丈夫だと思ったんだから」
月島「そういうの、迷惑だとは考えなかったワケ?」
ガサ
その音にいち早く反応したのは影山だった。
影山「……おい」
日向「!あれって……」
月島「……赤葦さん。2年生、鬼だ」
3人から少し離れた所で、赤葦は辺りを見回しながら歩いていた。もう少し奥へ、と足を進める。
一歩、一歩と近付いていくにつれて日向らの顔は強ばる。冷や汗を流しながら赤葦が来ない事を祈るばかりだった。
しかし、そんな思い虚しく。
日向/影山/月島「─────っ!!」
遂に赤葦は3人が潜む前まで来た。自然と息が止まる。
日向は声が漏れないように口を覆い、影山は鋭い目付きで赤葦の一挙一動の見逃すまいと食い入るように見つめ、月島は早くどこかへ行ってくれと念じながら目を閉じて俯いている。
一秒が途方も無く長く感じられ、止めたままの息もそろそろ続かなくなってきた。
赤葦「……はぁ」
一つため息が聞こえ、小さく"居ないか"と諦めたような声が耳に届く。
ようやく終わる。九死に一生を得た。
だからこそだろうか。気が緩んでしまったのだ。
日向「……っは」
赤葦が背を向けた直後、短く、されど静まり返った場では十分聞こえてしまう音を発してしまった。ヒュっと心臓が縮まるような感覚と共に、日向は再び口を覆う。隣の2人も生きた心地がしなかった。
赤葦「……」
確かに聞こえた、人間の声。低い位置に視線を落とす。そして、目を見開く。
赤葦「……居た」
.
眼下には、緑から覗く色素の薄い髪があった。
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すみた先生(プロフ) - 生きてる人さん» 読んでいただきありがとうございます!自分でもなんで川西をここまで育てたのかよく分かりませんが、役がハマったようで良かったです(笑)。どうかそのまま生きてください…… (7月24日 23時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
生きてる人(プロフ) - 読んでいるうちに片鱗は見えてたのですが命令9の川西が本当に大好きすぎました!!!!!!このような素晴らしい川西をありがとうございます!!あなた様のおかげで命が救われ気力体力全回復しましたありがとうございます!!!!!!! (7月24日 8時) (レス) @page3 id: 17d3aa535f (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 命令9の最後にて、チーム分けに間違いがありました。国見と金田一が逆になっていた事をご指摘頂きましたのでここで報告させて頂きます。混乱された方、大変申し訳ございませんでした。訂正し、お詫び申し上げます。 (2022年1月3日 19時) (レス) @page48 id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - 員脚さん» ありがとうございますっ!どんどん加速してラストスパートかけていくんでよろしくお願いしまーす!! (2022年1月2日 22時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
員脚 - あらあら!!!川西くんが活躍しちゃうわ!!!まさかBチームが勝つとは!!やっぱ“すみた先生”最高っスワ (2022年1月2日 22時) (レス) @page48 id: a61a8e014c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年8月9日 12時