絶対に彼なんて…【青】 (ページ4)

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“外せない用事”って、うちの体験レッスンだったって事？

ピアノに興味があるなんて、聞いた事なかったし、そもそもギターやってるなんて初耳

それに、何でうちなの？

駅前に、有名な音楽教室もあるし、もっとリーズナブルな教室だって、探せばいくらでもあるはず

なのに、よりによって何でうち？

グルグルと、考えながら弾き始めたピアノ。迷いながら弾いても、良い音なんかちっとも出なくて、ひと息入れようと立ち上がったら

「すごいな～。どうしたらあんなに早く手が動くん？」

突然、後ろから声がして驚いた

「何で居るのっ？レッスンもう終わったでしょ？」

「あ～ぁ。先生が、夕飯食べてけって言うてくれて…」

「はいっ？」

「でも、丁重にお断りしました」

「…当たり前。ってか、どうやって母に取り入ったの？」

「取り入った？変な言い方やめてぇや。別にそんなつもりないし」

「本当に？」

「ホンマやって。でも…強いて言えば、娘を落とすには、まず母親から…みたいな？」

「何言ってるの？」

「忘れてへんよね？バレンタイン」

「ありえないからっ」

「ふっ。まだ2ヶ月あるからなぁ。分からへんよ？」

「だからっ…」

「ほんなら、また明日」

自信満々の笑みを浮かべて帰っていった、安田くん

ホント、嫌なヤツ