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「え？」
「なに？」
「コイツ人間として終わってるわ……」と言いたげなドン引きの目。ドア開けて閉めただけで何その反応。面接じゃないんだから丁寧に開閉しなくてもいいんだよ坊ちゃんよ。
「お前普段から鍵掛けねぇの？」
え？
「掛けてるに決まってるでしょ」
「いや今ドアノブ回しただけで開いただろ」
「三日前に鍵無くしたの！ だから今新鍵申請してるだけで、昨日だって……掛けれるんならやってたもん……」
はじめ意地の張れていた怒声だけれども、悔しいことに昨日のソレの話をした途端に語尾が萎んでしまう。
あの時見られた瞬間、慌てふためく脳内は五条の謝罪を求めていたけど何も五条だけに非があるわけじゃない。扉を施錠できないと分かっていた時点で着替えるタイミングや場所を考えるべきだったってことは、ここは反省してる。しかしだな、
「あー疲れた、なんか飲み物ちょうだい」
客人だからといってもてなされるのが当たり前かのように座椅子に腰を掛ける傲岸不遜野郎に頭を下げてやるつもりは今のところ毛頭ないからなあ……？ 人の部屋来るだけでそんな体力消費してよくもまあ特級呪術師が名乗れるな「コーヒー入れんなら砂糖六つな」コーヒー粉倍で追加してやろうか？？？
「ヤベ、DSマジで壊れてる」
うんマジでビックリするよねそれお前が落としたんだよ(ニッコリ)。これ以上ストレス与えるわけにはいかないから言わないけど被害状況は上画面だけじゃなくてLボタンどっかにぶっ飛んで行方不明になってる。発売初日に買って何気愛着あったけど今新カラー出てるらしいしそれ買おう。わーい皆に自慢してやろ〜！
マグカップに淹れたコーヒーの水面をマドラーで五回ほど掻き回す。前に熱すぎって言われたのを思い出してちゃんとクレーム対応する私の学習能力高すぎ。ローテーブルの上のノートパソコンをナチュラルに操作している五条の左側にコップを置いて、とりあえず隣に座る。
「コーヒーできたよ、あと途中の報告書に手出したら即刻祓うからな」
「お前何色が好き？」
「は」
五条が指さす上画面に映るページはどういう訳か任天堂の商品一覧。
「買うから」
「いや分かるけど自分の好きな色でいいじゃん」
「お前に買うから色聞いてんだよ」
「ほょ？」
「なんだその声」
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作成日時：2020年12月30日 22時
