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応える話


「いや笑うわ、ホワイトデーすら過ぎてんのに今更チョコってお前、」
「お前が食べたい食べたいって涎だらだら私の頭の上に垂らしてるからだよ!!」

 マジで遠慮なく髪につばぺっぺってしてくるんですコイツ! 新品の筆みたいな白髪引きちぎって良し!?


「ところでこれ本命? 義理?」
「義理にも満たねえ義チョコってとこかな」
「あーそ、(忠)義チョコね」
「なんか想定してなかった意味に聞こえたんだけど?」

 ちなみにガトーショコラとかいうやつを作った。ガトーって何? 知らねえよ。味見の時点でうますぎてかなり食い散らかしたので五条にあげる分は二切れしかない(大満足)。

 ちなみに一ヶ月以上バレンタインデーを遅刻した理由は普通に忙しかったから。まあ寒すぎてキッチン立つ気になれなかったってのもありすぎる。やっぱさー、女子からチョコ貰えなかった男子の怨念やら鬱やらで何気二月も呪い多いのよ。しかし私は人の不幸を舐めると蜜の味がするタイプの人間なので今月割と機嫌がよかった(畜生)。

 ソファに寝そべる推定180センチ越え(お前どこまで伸びる気?)の腹の辺りに例のブツ(ラッピング済み)を投げ捨てて近くに座り込む。


「ちゃんと毒味した?」
「マジぶっとばすぞお前」

 目にも止まらぬ早さで完成品を口の中に入れ込んだ五条は何度か咀嚼したあとに「んー」と唸る。あっやば、御三家出身悟坊っちゃんに横文字のお菓子の味なんて分かんのか? 私(庶民だが?)にも分からんのに?


「まあ80点くらいじゃね?」
「あっ意外、結構高い」
「200点満点中」
「赤点じゃねえか!!!」

 「ラス1私が食べるから返して!」叫んで伸ばした手は容易に掴まれた。待てこれはガトーショコラではない、私の手そんなに日焼けしてないから。


「いや俺のだからこれ」

 (^^♪?

「流石に赤点チョコ食わせるの気が引けるからさっさと回収させてよ」
「まずいなんて一言も言ってねえだろ」
「120点も減点しといてなんだそれ」
「バレンタインデーに対する関心意欲態度の低さで120点引いた」
「採点基準ガッバガバなんだが?」

 そんなこんなでいつの間にやら完食していた五条は唇をぺろんと舐めて満足そうに告げた。


「ごちそうさま。……まあ、うまかった」
「……惜しいな、本当に惜しい」

 足裏で頭を撫でるのさえしなければときめいてたぞこのカス。普通にイラついたので腹パンした。


.十日くらい前ですが大学受かってました〜(^^)

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作成日時:2020年12月30日 22時

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