１７↓以下リクと番外(感謝) ページ17
また見られる話
今日の星座占いのいて座は9位らしい。ほんの数分で全身をずぶ濡れにしやがった通り雨は絶対に五条のせいだと思う。特級付き添いの任務とか行くもんじゃねーな夜蛾先生覚えとけよ。
「あー重い、てか補助監督なんで居ねえの」
「パンクしたから積車に積まれて帰ったじゃん」
実は任務先に来る前から調子の怪しかった送迎車は案の定前輪が死んでいたので補助監督と一緒に高専に戻った、という結構重要なことをやっぱりコイツは聞いてないので胃が痛い。あと五条の言う通り服がめちゃくちゃ重い。毛先から服の裾からビタビタと零れる雨水が鬱陶しかった。上ぐらいは脱いで絞りたい。
高専へと続く山道に一般人はおろか呪術関係者の姿すら見られないのはラッキーかも。
水を吸った制服の重みで猫背気味になっている五条を視界の端に置き、慣れた口ぶりで帳の呪文を詠唱した。
「は？ お前何やってんの」
「後ろ向いてて」
「なんで」
「いいから、こっち見たら昨日機種変したって言ってた携帯割るからな」
「最新型なんだからやめろ！ ……何するか知らねえけどさっさと終わらせろよ」
「ん」
「てかこの携帯防水だっけ……？」と背面を向いてしゃがみ込んだ五条を確認して制服のボタンに手をかける。こんなことのために帳を使う術師って私で初では？ 帳の応用性を証明してやったんだからさっさと昇級させろ？？
グズグズになった服をなんとか脱ぎ終えたけど、帳で視認できないにしても野外で上半身が下着一枚だけなんて背徳感しか感じない。けど涼しいーーー！！！ どんな服でも一度濡れりゃあ全部水着だという真理を悟り私は感動した……。
雑巾絞りのごとく水分をビチャビチャ絞り落としていると後ろの五条が慌てて声を荒らげ出した。嘘、呪霊出た？
「お前吐いてんの！？ ぁ、」
「吐いてな、わゃああああああ何ここぞとばかりに振り返ってんだお前ありえない死ね！！！！」
「い"っっっっってぇ！！！ 顔面モロに殴る方がありえねえわ！ 服絞るためだけに帳張ってんじゃねえよアホ！！！」
「また見られた最悪！ 痴女って思われたくない！ 忘れてえええええええ」
「今日は黒か〜〜特級痴女爆誕だな〜〜〜〜！」
「頼むこの世から消滅して！！！！！」
術式張る間も与えずに殴る蹴るの暴行を繰り返していたらサングラスぶち壊して【お察し】円の新品を買わされたのは別の世界線の話だと思いたい。
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作成日時：2020年12月30日 22時
