捕らわれのお人形さんは恋をする (ページ10)

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お人形さんのお散歩ページ10

今までそんなこと言われたことない

彼の言葉で何も感じなかった心が温かくなる

ﾐｬｰ

『？どうしたの？』

ムーは私の服の袖を引っ張ってなにか伝えようとしている

『あ、お散歩？』

ニャー！

どうやら当たりのようだ

『ラギーさん、少しお散歩に行って来ますね』

｢わかったッス、あ、あと、人前では“僕”とかのがいいんじゃないスか｣

『えっ、』

｢だってAくん女の子でしょ｣

ど、して

｢鼻ッスよ｣
｢俺たち獣人は基本鼻や耳が人間よりいいんスよ｣

｢あんた、女って隠してるんでしょ？なら言葉使いには気を付けてほうがいいんじゃないスか？｣

『なるほど、ありがとうございます』

ムーと散歩しながら考える

そうか、獣人にはばれてしまうのか

あの変な仮面の人に相談してみるか

正直会いたくないけど......

｢誰が変な仮面ですか！！！｣

『あ、えと』

｢私一応学園長なのですが｣

学園長？

確か学校で一番偉い人だよね

『あの、丁度良かったです。相談したいことがあって』

｢無視ですか？まぁ、いいですが。私、優しi『実は獣人の方は匂いで女性だと分かるらしいのですが』被せないで下さい｣

｢だったらこれをどうぞ｣

そう言って学園長は私の手に紅いペンダントを握らせる

｢これは着けた人の匂いを上書きするものです｣

なるほど、便利ですね

『ありがとうございます』

｢いえいえ、それでは。私忙しいので｣

それだけ言うとまたどこかへ消えてしまった

神出鬼没な人だな

『そうだ、ムー。聞きたいことがあったんだ』

ニャー？

『お前、あの時お母様と一緒にいったんじゃなかったの』

ニャー

『そっか、お前も置いてかれたんだ』

『大丈夫だよ、約束を果たしたら一緒にお母様のとこまでいこう？』

ニャー？

卒業したらまた、会いたいな

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前回長くなってムーの紹介かできなかったので軽い説明

アムール(ムー)
小さい頃に夢主と会ってからは一番の親友

実は訳あって夢主の影で眠っていた

夢主のピンチの予感で起きてきた可愛い子

アムールはフランス語で愛と言う意味

アズール氏と被るな～と思い、名前をムーにしました