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「じゃあ、俺、そろそろ行くわ。しのぶの作った夕飯食うから」



Aさんの底抜けに明るい声を聞いて、ハッと我に返る。

そうだ、支度をしなくては。それにしても……Aさん、何て顔をするの。

……気のせいか、とても嬉しそうに、目を輝かせていた。



「!……しのぶ姉さん、御料理をしていらっしゃるんですか」

「知らなかったのか……?あ、しのぶ、言ってなかったのか……悪ぃ。俺ばっか、しのぶ独占して」

「あ、いえ、いいんです。最近の師範、さらにお美しくなって。きっと、隣にAさんがいらっしゃるからなんですね」

「あ、すげぇわかる。もうさ、思わず照れたときの顔とかクソ可愛いんだよ、溜まんねぇ」



こっそりと会話を聞いていて、恥ずかしくなる。

私の前でだって、あんなに褒めないのに、という、褒められ慣れていない恥ずかしさと。

あんなにいい子のカナヲに、嫌な気持ちを持ってしまったことで。



「しのぶ、料理も上手いんだ。日に日に美味しくなってく。今度、栗花落もねだってみろよ」



Aさんはそう言って、カナヲと別れようとするけれど、カナヲはその言葉にはうなずかずに。



「あ、しのぶ姉さんは、きっと……Aさんに食べてもらいたいのだと、思います」



真面目な顔つきで、訴えた。



「…………そうか」



瞬間、顔を赤くして、口元を手で覆うAさん。

私まで、顔に熱が集まって。



私はAさんのために料理をしていた……その事実に気づいて、どれだけAさんが好きなのかを知らざるを得なかった。





ー→←2章:独占なるもの、



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天霧(プロフ) - うっひょうぅぅぅう!しのぶさん最高ですよ! (2021年11月5日 20時) (レス) id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - しのぶちゃんかわいいですよね、、!更新待ってます! (2020年8月12日 22時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - めちゃくちゃこの作品好みです!更新お願いします!!!これからもがんばってください!! (2020年5月24日 21時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
イツキ - 二人のイチャイチャ楽しみです! (2020年5月10日 12時) (レス) id: a90c8d5aa0 (このIDを非表示/違反報告)
剣華 - いつもニヤニヤしながら見させてもらってます。ほんと好きです!次の更新も楽しみにしてます!がんばってください。 (2020年5月7日 12時) (レス) id: e2d859c4ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たつき | 作成日時:2020年3月30日 7時

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