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「おーおーAに、胡蝶じゃねーか」
「近付くな、筋肉ダルマ」
「だーれが筋肉ダルマだ、このベタベタ野郎が」
「黙れ、消えろ」
Aさんは、私を背に隠すように立つと、宇隨さんを睨んで、暴言を吐く。
中指なんて立てちゃって、あらあら、仲がいいですね。
「ちょっと喋ろうとしただけじゃねーか、嫉妬のし過ぎは嫌われるぞ?」
「嫉妬じゃねぇし、お前にしのぶ近づけると、なんか危ねぇだろ」
宇隨さんがAさんにグッと顔を近づける。
どっちかと言うと、Aさんの方が、宇隨さんに近づかれているような。
「まー、ちゃんとイチャイチャしてるかねーって思ってただけだし。早く籍入れろよなー」
「消えろ」
長い髪を靡かせて、ひらひらと手を振る宇隨さんの背姿に、もう一度中指を立てるAさん。
こんな風に言い合いはするけれど、何だかんだ仲がいいのは、私でなくてもわかること。
歩く度に黄色い声の湧く宇隨さんを見送りながら、そう言えば、Aさんも、歩くと、このようになる気が、と思い当たる。
なぜだか複雑な気持ちになっていると。
「おい」
Aさんが、私の顎を掴んで、真上を向かせた。
「お前、もしかして、宇隨になんかされたか……?」
私がぼーっとしていたから、そう感じたらしかった。
「ふふっ」
「っおい、何笑ってんだよ……」
「いえ、なんでも」
嫉妬をされるって、心地よい。
いつも余裕があるAさんが、このように狼狽えているのが、可愛らしくて。
「いつまで笑ってんだよ……」
口元がにやけるのを、止めることが出来なかった。
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天霧(プロフ) - うっひょうぅぅぅう!しのぶさん最高ですよ! (2021年11月5日 20時) (レス) id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - しのぶちゃんかわいいですよね、、!更新待ってます! (2020年8月12日 22時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - めちゃくちゃこの作品好みです!更新お願いします!!!これからもがんばってください!! (2020年5月24日 21時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
イツキ - 二人のイチャイチャ楽しみです! (2020年5月10日 12時) (レス) id: a90c8d5aa0 (このIDを非表示/違反報告)
剣華 - いつもニヤニヤしながら見させてもらってます。ほんと好きです!次の更新も楽しみにしてます!がんばってください。 (2020年5月7日 12時) (レス) id: e2d859c4ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たつき | 作成日時:2020年3月30日 7時