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「A!?久しぶりだな!しかし、顔色が悪いな!体調が悪いのか!?大丈夫か!」
Aを中に押し込むなり聞こえてくる、うるさすぎるほどに響く煉獄の声。
しまった……煉獄が居ることをすっかり忘れていた。
コイツ疲れてるってのに、煉獄の大声ずっと聞いてたんじゃあ、休めねェじゃねぇか……
ほら見ろ、Aがさらにぐったりして……
「煉獄……お前、ホントいい奴だな……」
「む!そうか!?それはとても嬉しいが、それより、悩みでもあるのか!?表情が冴えていないぞ!」
「炎柱様……」
……おい、おいおいおィ。
精神までやられちまってるじゃねェかよ。
Aは、ふらふらとした足取りで、煉獄の隣に座ると、遠慮なくもたれかかった。
その体には、力がない。
「……おィ、どうした」
流石に心配になって問うと、煉獄もそれに乗っかって「話してみるといい!スッキリするぞ!」と、至近距離でも大声をかました。
そうとも構わず、Aは虚ろな目で、ポツリポツリと語り出す。
「……『私の蟲柱様に近寄らないで』って、言いてぇのかな」
「……は?」
少しずつ吐き出される単語を紡いで、話を聞いていくうちに、なんとなくだが理解した。
Aの考えがイマイチ違うことや、妙なところで鈍感なところを見ると、胡蝶も苦労しているんだろうな、と同情でもしたような気分になる。
Aの話は、大体こうだった_____
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最近、やたら女に絡まれるようになった。
今までも、全くないという訳ではなかったが、最近は特に酷い。
心当たりがあるといえば、俺が胡蝶を独り占めしてしまっているということで。
それにまちがいないと考えていたが。
「違うのか……?」
「違うっつーか、逆っつーか……あァ、面倒臭ェ」
不死川は頭をがしがしと掻いて、「知らねェけど」、と俺を黒い瞳でとらえる。
「てめェはもう少し自意識あって、いいんじゃねェの」
「……自意識?」
不死川は、それ以上言うことはないとでも言うように、そっぽを向いてしまう。
煉獄の、やけに暖かい体温を感じながら、俺は、
「自意識……」
一人で、その意味をひたすらに考えていた。
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天霧(プロフ) - うっひょうぅぅぅう!しのぶさん最高ですよ! (2021年11月5日 20時) (レス) id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - しのぶちゃんかわいいですよね、、!更新待ってます! (2020年8月12日 22時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - めちゃくちゃこの作品好みです!更新お願いします!!!これからもがんばってください!! (2020年5月24日 21時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
イツキ - 二人のイチャイチャ楽しみです! (2020年5月10日 12時) (レス) id: a90c8d5aa0 (このIDを非表示/違反報告)
剣華 - いつもニヤニヤしながら見させてもらってます。ほんと好きです!次の更新も楽しみにしてます!がんばってください。 (2020年5月7日 12時) (レス) id: e2d859c4ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たつき | 作成日時:2020年3月30日 7時