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……んで、二つあんだよ。

苛つきの気持ちを込めて、俺じゃない方(・・・・・・)の噛み痕に、上から歯を立てる。

そのまま舌で舐めてやると、Aさんはピクリと震えて、俺から逃げようと身を捩った。



「これ…………誰だよ、おィ」



ぴちゃ……と、わざと音をたてて舐めてやると、Aさんは恥ずかしそうに顔を赤らめて俺の腕から抜け出そうとする。



「逃げんな…………誰が噛んだ、おィ、教えろ」



両肘を畳に付けて、Aさんを囲うようにする。

嫉妬と悔しさで、どうにかなってしまいそうだった。

俺が黙って震えていると、Aさんは、気づいたように頭を撫でて、いつもの優しい声色で語りかける。



「ごめん、な…………誰か、は、言ってやれないけど…………でも俺は、実弥がいいと、思ったんだ」

「…………」



こうしてマウントをとっても、やっぱりAさんはAさんだ。

いつも俺より先を進んで、年上の余裕を感じずにはいられない。



「…………俺が居ない間に無防備にしてた罰は受けてもらいますよ」

「あぁ…………お手柔らかに頼む」



困ったようにはにかむAさんは、俺の首に触って、



「これは実弥の方が似合うから…………お前にやるよ。俺はお前の噛み痕で十分だ」



母親の肩身だという首飾りをシャラリと鳴らした。

…………この人は、どこまでも俺を可笑しくする。





・・・




「っ…………ふ」



シトシトと雨の降る音に、Aさんの苦しげな吐息。

俺の下で、文句の一つも言わずに、ただ痛みに耐えている。

はだけた着物から覗く白い肌がほんのりと赤色に染まり、それを見た俺は、Aさんを解しながら、キスをせずにはいられなかった。



「っ…………汚いだろ、そんな、舐めるものじゃ……」



俺に劣らぬと言っていいほどに、Aさんの身体には傷が埋め込まれていた。

今の今まで知らなかった……過酷な過去を持っているのだろう。

確かに傷は痛々しいものだったが、不思議と汚いとは思わなかった。



「そんなことねェよ…………アンタの全てを、好きなんだ……今更汚いとか、ねぇ」

「実弥…………」



俺のモノをAさんの中に沈めるために、小さな入り口を、丁寧に指で解していく。

キスをする、身体に、唇に。



「ぁ……さ、ねみ」



っ…………嗚呼、溺れる_____





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mikitty(プロフ) - 好きです!!!! (2022年12月25日 13時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草(プロフ) - やっぱり何回見ても最高だなぁ、ぐへへ(( (2020年12月19日 14時) (レス) id: 4fc468f2f2 (このIDを非表示/違反報告)
柴犬(プロフ) - 素敵な作品ですね...、愛情表現や色気のあるシーンがすごく好きで一気読みしてしまいました。他の作品も読ませて頂きたいのですがパスワードというのはどちらで伺えばいいのでしょうか...? (2020年5月30日 9時) (レス) id: 87b58a18e6 (このIDを非表示/違反報告)
ohagi - めっちゃ最高でした。自分も腐ってるのでBLの方がよけい萌えました! (2020年3月31日 14時) (レス) id: 8e8ba22e4c (このIDを非表示/違反報告)
ひつじマイケル(プロフ) - お疲れ様です!読んでいてとても面白かったです!よろしければこれの短編集を読んでみたいです! (2020年3月30日 14時) (レス) id: 37a32601d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たつき | 作成日時:2020年2月29日 20時

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