Devil Hope Sweetie【浦島坂田船】

Sweetie8 ページ8

side.Shima


　うらたさんと二人でチェスをしていた。そんなとき、部屋に駆け込んできた坂田。
　「当たりの子をセンラが捕まえた」そう坂田がいったとたんに緩む口許を隠すことはしなかった。何百年かぶりの“蜜”。人間が入ってきたのは分かっていたがまさか当たりだったとは。


「へぇ……生娘だといいな」
「せやねぇ……当たりでも生娘とそうじゃないのとでは甘さの差が違うもんな」


　ああ、早く食べたい。飴はもう飽きたんや。全部全部吸いとってしまいたい。
　確かあの睡眠薬の効果は約3時間……。零時を過ぎた頃だ。そのくらいの時間になったら会いに行こう。



----------×××××----------



　俺の下で怯えている女。顔が赤く染まっていることや少し震えていることから生娘であることは容易に予想できた。


「逃げんなよ。やっと手に入れたんや。……知りたいなら教えてやるよ。ぜーんぶ、な？」

(お前のことも、俺たちのことも……男女のことも)


　濡れている睫毛にそそられる。ぷっくりとした唇も、細い腰も、全部。
　欲しい。ドロドロとした何かが脳を溶かす。

　……我慢できない。


「……その前に、味見させてや」
「っ、んあっ！？」


　その唇に勢いよく自分のを押し当てる。早く、はやく、甘いのが欲しい。
　舌でグイグイと閉じられている唇をこじ開けた。そして彼女の口内に舌を侵入させた途端。


(っ、やばっ……！！甘すぎ、やろっ……！！)


　今までに感じたことのないような甘味が広がった。舌を絡めて、吸って。とろんっとした彼女の目が更に欲を掻き立てる。
　やめられない。
　そんなときに聞こえたうらたさんの声に、我に帰った。


「ホクロ、口離してくいしばれっ！！」


　うらたさんの殺気のようなものを背に感じて、勢いよく彼女から離れる。彼を見ればもうすでに拳をふりかざしていて。


(あ、終わった)


　なんて思って、逃げ出そうとしたのだった。




▼



(じっくり、味わったる)




*

順位ありがとうございます！！

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