Sweetie3 ページ3
side.You
「……あの、貴方はここにお一人で住んで？」
「いえ。僕の他に3人。あとは雑用をしているのが10ほど」
「へぇ……いつからここに？」
彼は顎に人指し指を当てて考えるような仕草をする。ちょっと可愛くて笑みを溢してしまった。
「確か、2000年ほど前ですかね」
「へぇ………え、2000年？」
「ええ。そうですよ」
ガタッ。
彼のその言葉に笑みを失い立ち上がる。
2000年前？そんなはずない。ただの人間はそんなに生きれない。じゃあ目の前の彼は何者？
「おや、どうしました？」
「え、と、あの……私、もう大丈夫そうなので帰ります。ありがとうございました！！」
そう叫んで彼に背を向け走り出した。……否、走り出そうとした。
(何、これ……！？身体、動かない……っ！！)
私の身体は背を向けた体勢で止まってしまった。
後ろで椅子が下がる音がしてコツコツとヒールが鳴った。カチャリという、ティーカップの音も。
「ダメですよ、紅茶を飲まないと。そうしないと、貴女を捕まえられないじゃないですか」
「ぁ……ぃや………」
青年はティーカップを持ったまま私の前に来る。……しかし、彼の姿はさっき見たのとは異なっていた。
頭には小さな角。背には小さな翼。そしてゆらゆらと揺れる尻尾。その姿はまるで、
(っ、悪魔！！)
彼は笑みを絶やさないまま近づいてきて、手に持っていたティーカップから紅茶を含んだ。そして次には
「んっ！？」
唇への感触。目の前に映る整った彼の顔と金の髪。自分の唇に触れているのが彼の唇だと分かるのは数十秒後のこと。
彼は持っていたティーカップを床に落とした。
後頭部に空いた手を回されて固定され、逃げることができない。押し付けられている彼の唇から舌が出てきて、いとも簡単に私の口内に侵入してきた。
「は、んっ……ふｯ……んぁ……！！」
彼の少し開いた口から紅茶が流れ込んでくる。私の喉はそれを受け入れてしまった。
紅茶が口の中から無くなっても彼からのキスは止まらない。舌を絡まれて、吸われて、酸素を取り入れる暇さえ与えてもらえないほどに大人なキス。
もう無理、そう思ったとき。ふっと意識が遠くなった。身体は既に動くようになっていて、私は彼に寄りかかるように倒れる。それと同時に唇は離れていった。
「おっと……人間用の睡眠薬です。俺たち悪魔には効かんので。……貴女はもう、この城から出られないんですよ」
そんな言葉を、遠ざかる意識の中で聞いた。
▼
「……甘い。やっぱり、この子捕まえてよかったわ」
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ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2021年6月8日 18時) (
レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
詩音 - この作品めちゃくちゃ好きです!更新頑張って下さい!!! (2020年3月6日 19時) (レス) id: 63dfd51ca8 (このIDを非表示/違反報告)
いとせ(プロフ) - めちゃくちゃ好みです、、！更新楽しみに待ってます！ (2020年1月5日 20時) (レス) id: 647989654a (このIDを非表示/違反報告)
山犬 - れいさん» ありがとうございます！甘々目指して頑張りますね！！ (2019年10月27日 23時) (レス) id: b8d496b207 (このIDを非表示/違反報告)
山犬 - あをい。さん» ありがとうございます！突然の思い付きで書いたのでドタバタ感がありますが……頑張ります！！ (2019年10月27日 23時) (レス) id: b8d496b207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山犬 | 作成日時：2019年10月22日 9時
