AM 10:30 ページ11
「いやーやっぱ遊園地ていいね。
一気に夢の世界じゃん。」
「私も久しぶりに来ました。」
大貴さんが入口でもらった園内のマップを握りしめながら、目を輝かせてこちらを見てくれるから、自然と私のテンションも上がる。
二人でこれからどんな時間を過ごすのかな?て楽しみなのとそれに溶け込むちょっとの不安。
そのドキドキを抱えてゲートをくぐれば、広がっていたのは非日常の空間。
久しぶりの雰囲気に高揚して、周りをぐるりと見れば、大きな観覧車を見つける。
それは、入り口から一番遠い位置にあるのにすごい存在感。
遊園地もだけど、最後に観覧車に乗ったのっていつだっけ?
記憶を辿ってもぼんやりとして思い出せない。
1つだけ思い出せたのは、この前まで付き合ってた彼とは観覧車なんて乗ったことがなかったってことだけ。
人前でベタベタするのを嫌がった彼は、手を繋いだりもしないし、観覧車に乗るのも嫌がって二人で一度も乗ったことがなかった。
あの時は”もういい大人なんだし”て彼に素直に従ってた。
だけど。
1度くらいは乗りたかったなぁなんて、もう戻れないのに思ってしまうの。
少しだけ苦い記憶が顔を出し始めて、意識が過去に戻りそうになると。
「 A、聞いてる?」
「へ?」
不意に隣から聞こえたのは慣れ親しんだ彼ではない、まだ耳慣れない大貴さんの声。
それが少し不機嫌で慌てて彼へと意識を向ける。
「最初はどのアトラクションに乗ろうかって話。
聞いてなかったっしょ?」
「あっ、ごめんなさいっ、、」
私の右側に立つ大貴さんが広げているマップに急いで視線を落とす。
すると、急にマップから離れる彼の左手。
その左手を目で追えば私の背後に回り、見えなくなった瞬間。
腰の左側に厚みのある温もりを感じる。
「もっとこっち来ねぇと。」
自分が今されていることを理解しようとすると、それを高くて掠れた声が阻んでくる。
大貴さんの言ってる意味が分からなくて隣に立つ彼を見上げれば、腰に触れていた彼の手がぐいっと私を彼の方へ引き寄せる。
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☆☆さお☆☆(プロフ) - きんぐとるさん» コメントありがとうございます!そして返信が遅くなり申し訳ありません>_< 皆さんにたくさんキュンキュンしてもらいたくてこのお話を書いているのでとっても嬉しいです! 今は他作品との兼ね合いでゆっくりですが、更新頑張ります。 (2019年8月10日 22時) (レス) id: a03ad133de (このIDを非表示/違反報告)
きんぐとる - キュンキュンしてしまいました!!次の更新楽しみにしてます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2019年7月29日 23時) (レス) id: fcf34ec103 (このIDを非表示/違反報告)
☆☆さお☆☆(プロフ) - 有颯さん» ありがとうございます! いっぱい甘くてちょっと切ないがこのお話のテーマなのできゅんと切なさを感じていただけてとっても嬉しいです(^^) この先も色々な展開を用意しているのでこれからも宜しくお願いします! (2019年6月17日 19時) (レス) id: a03ad133de (このIDを非表示/違反報告)
有颯 - 初コメ失礼します 、!! この作品 、切なめ で なおかつ きゅんきゅん して とっても お気に入りです 、大変 だと 思いますが 、更新頑張ってください ! 楽しみ に してます !! (2019年6月16日 20時) (レス) id: cc82cfbdba (このIDを非表示/違反報告)
☆☆さお☆☆(プロフ) - A氏のよめ。さん» コメントありがとうございます! 更新スピードもゆっくりで時間もバラバラですがこれからもこのお話を宜しくお願いします>_< (2019年6月3日 20時) (レス) id: a03ad133de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆☆さお☆☆ | 作成日時:2019年4月13日 0時