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27話 ページ29

お久しぶりです


───────────


「君がAで間違いないね」
『は、はい。衛宮Aと申します』


(あの方が御館様)

 肩まで伸びた黒髪、整った身なり。顔の上半分は病気が何かなのか変色し、ただれている。その後ろには自分を案外した子と同じ容姿の(わらべ)が二人控えていた。唯一違うのは髪の色くらいだろう。

『(聞きたいことは山程あるのに…)』

 こっちから言葉を投げかけるのは正しくないような?そもそもの話たかが鬼滅隊なりたての新人がこの場にいる事自体間違いのような???

「ん。どうしたのかな?答えられる範囲であればいくらでも質問に答えよう。私からの用件はその後で構わない」
『…え?』

 私の戸惑いを空気で感じとったのか彼は穏やかに微笑んだ。流石鬼滅隊最高管理者…下っ端の考える事なんて全てお見通しってわけね。

『私、衛宮Aの事はどこまで知っているのですか?』

▫▪▫


『別に記憶喪失という訳では無い、と思います。でも自分の両親とか幼い時の記憶は話でしか聞いたことがなく…』

 あくまで自分が知っているのは今の生ではない前世の記憶。その記憶も日を重ねるごとに頭の中からだんだん消えていく。父と母の大まかな話も鱗滝さん(と鳥)にちょっとだけ聞いて知ったぐらいだ。


『私の母は「稀血」の中でも希少な存在だったとか。そして母は血を受け継いだ私を守るために』
「なるほど。白い彼(・・・)からはそう聞いたんだね?」
『はいそうで───あのスズメと知り合いだったんですか!?』
「(コクリ)今から17年前。私がまだ幼かった頃の話。その()君の父を連れて(・・・・・・・)屋敷内に現れた。それも突然に」


 最初は鬼かと警戒したがその予想は珍しく大ハズレ。そこにいたのは白い外套を纏った男と赤みがかった茶髪の男。その男は1人の赤子を抱えていた。

『それが私…』
「おそらく。彼に妻の写真を見せてもらったが今の君にそっくりだよ」
『記憶力良すぎ!?』
「ああいや、流石にこれは冗談さ。これを見るといい」

 この人意外に冗談言える人なんだ…って今はそれより!

『確かにそっくりかも、しれないけど。見た事ない格好をしてますね?』
「私もその事について聞いてみたんだがうまく誤魔化されて結局聞けなかったんだ。私の勘が正しければ此れは鬼殺隊でいう戦闘服だね」
『どうみても重そうだし動きずらそう…私はこっち(隊服)の方が良いかな』

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作者名:みの虫 | 作成日時:2019年9月8日 7時

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