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「女の子なんだから夜中はダメだよ」
「あと、何で隠してたん!?俺ら友達じゃなかったの!?学生の頃、約束したよね、秘密はダメだって。そんな俺らのこと信頼してないの!?」
その言葉が胸に刺さる。
ごめんなさい、ごめんなさい。
「今頃、俺らが見つけてなかったら…!!」
「いいよ、もう。Aちゃんが怪我なくて良かったじゃん」
『ごめんなさい、ごめんなさい…』
自分がいけない。そう重々理解している。
なのに、抜け出したいって思うんだ。
どんどん、空気が重たくなる。
『私…な…いいよね…』
「どうしたの?」
『私、いない方がいいよね、ごめんね』
「ちょっとA!?」
『しばらく、家から出ます』
私は家から出た。
外は寒い。
『何で私迷惑ばっか掛けちゃうんだろう…』
いつもいつも私は迷惑掛けてばっかり。それは学生の頃から変わらない。
変えよう、変えようって思っても変えられない
『もう嫌…』
私、ついに大好きな人達まで嫌われちゃったの…?
「Aちゃん!」
虫さんの声。
ごめんなさい、こんな寒い中歩かせてしまって…
「Aちゃん…?」
『ごめ、んなさい…迷惑ばっか掛けて…』
「そんな、迷惑なんて掛けてないよ。Aちゃん戻ろう?みんな心配してるよ」
戻りたくない
『いや、戻りたくない…』
「そっか…じゃあ、しばらくここにいよっか」
『・・・私嫌われちゃったのかな』
「え?」
『本当にバカで、運動音痴、性格悪い、すぐ迷惑かける、相手のことを考えない。そんな奴好きなわけないか』
「…嫌いだったら何で心配をするの?」
「てっちゃん達も迷惑だ、って思ってないよ。てつや、強く言い過ぎたって言ってた。本当は、手紙を送った奴がいけないのにAちゃんがいけないみたいにしてしまったって言ってる」
『そっか…』
『さむ…』
「じゃ、帰ろっか」
『うん』
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作者名:ゆりか | 作成日時:2018年2月11日 20時