私へのアプローチがかなりキモイ降谷さん【名探偵コナン】【降谷零】

最終章.結婚した上司 ページ47

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その後。

ブランデーは本堂さんによって無事検挙され、組織の主だった幹部はベルモットを覗いて逮捕、または死亡した。

とはいえ未だに組織の残党や組織の残した様々な禍根が東都を取り巻いている。合同捜査本部が解散するのはまだまだ先になりそうだ。


そんな中、私と降谷さんは作戦後8:30ジャストに血と埃と砂だらけの戦闘服姿で区役所に駆け込み、区役所員のおばさんとおじさんを大いに怯えさせつつも無事婚姻届を提出して夫婦となった。

脅威の交際0日婚である。

警備企画課に結婚の報告をすると、当然阿鼻叫喚の地獄絵図となった。

特に風見さんの眼鏡は3本割れた。




降谷さんと私の関係は、何も変わらない。

降谷さんは今まで通り鬼上司として企画課に君臨し、私は相変わらず三日に一度「これ公」と言われる運動音痴な部下だ。


それでも帰る家は一緒になったし、プライベートでは手を繋いだり抱き合ったりするし、何ならそれ以上のこともする。

私は「降谷さん」から「零さん」呼びになったし、降谷さんも「阿木」から「A」呼びになった。


それだけだ。




──────変わってて変わらない事と言えば、




「聞いてくれA。ホテルの部屋のカードキー落とした」

「心の底からホテルに謝罪しろ」


全く悪びれずにズカズカ人様の家に入り込む赤井の図々しさとポンコツぶりは、さっぱり変わらない。けど、赤井が私の住む家に上がり込むようになったのは結婚してからだ。

曲がりなりにも未婚女性として気を使っていたのかもしれない。知らんけど。


「赤井貴様、俺達の家を避難所か何かと勘違いしてるんじゃないか？」

「こんなに快適な避難所がある訳ないじゃないか」

「何ドヤ顔してんだよ。早く帰れ。フロントのお姉さんに謝り倒してこい。顔面という数少ない長所を発揮するチャンスだぞ」


零さんは割と本気で嫌そうな顔をしていた。この前来葉峠には未だに寄りつけないと愚痴を漏らしていたから、トラウマは健在らしい。


「ところで今日のご飯は？」

「お前に出す飯なんかぶぶ漬けしかない！」

「ありがとう。あれ納豆ご飯よりは好きだ」

「都合が悪い時だけアメリカ人だから日本のカルチャー分かりません面するな！！」

「はいはい、二人とも喧嘩しないで。零さんが作ったご飯冷めちゃうから頂いちゃおう」


私達は何だかんだで赤井を迎え入れてしまう。

何せ赤井は私達の恋のキューピットだからだ。








〜完〜

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