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「私としては、この強面集団が霞むような、できれば女性の
デコイが欲しいかなあと思っててね」
嫌な予感は的中した。
皆の視線が一斉に私に集中する。確かに私は警備企画課の紅一点だが、そんなチヤホヤ担がれる役回りじゃない。降谷さんに対しての方が余っ程女の私より丁寧に接しているくらいだ。
「私はやりませんよ」
「仕事だよ、阿木君」
しれっと言う課長にイラッとした。相変わらず顔には出なかったが。
そもそも私、体張る要員じゃないし。それは私を前いた部署から引っこ抜いた課長が一番知ってるだろ。
軽く思案して、これ以上ない程の良案が思い浮かんだ。
決してここ数日の腹いせなどではない。そう言い聞かせて口火を切った。
「だって私より適任がいるじゃないですか」
「おや、君がそこまで言う人がいるのかい？」
「ええ」
神妙な顔で頷いた。
「世界的大女優シャロン・ヴィンヤードにも認められる美貌に」
ザワ。
「女性にも匹敵するウエストとヒップの細さ」
ザワザワ。
「セレブとしての気品」
ザワザワザワ。
「見る人を圧倒するオーラ」
そこまで言って、チラッと代役に仕立てあげようとしている渦中の上司を見た。
その瞬間、私に向いていた視線が今度は別の一点に集中した。
「そんなの、
──────降谷さんくらいしかいないじゃないですか」
視線の集まった先にいた降谷さんがビクッと肩を飛び上がらせた。
わなわなと口を震わせ信じられないものを見る目で私の方を見る。それはおかしくなる前の降谷さんの反応で、やはり仕事の時はまともなのだと再確認した。
「正気か阿木」
「これ以上なく」
「いや、確かに俺はお前より可愛い顔をしてるかもしれないが」
「それわざわざ口にします？」
「どっからどう見ても男じゃないか」
余っ程女装したくないのだろう。降谷さんが必死で力こぶを作った腕を見せつけてくる。ここ最近振り回されてばっかだったから、少しだけ溜飲が下がった。
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エリンギ(プロフ) - おかずさん» コメントありがとうございます！ご愛読本当に感謝です！ (2022年9月20日 20時) (
レス) id: d64584d3be (このIDを非表示/違反報告)
おかず(プロフ) - 完結おめでとうございます！すっごく好きな作品だったので完結は寂しいですが、読み直したりしてまた楽しみたいと思います。素敵な作品をありがとうございました！ (2022年9月20日 19時) (レス) @page48 id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
エリンギ(プロフ) - ぴょんぴょんさん» ご協力感謝します！お陰様で赤星になりました。 (2022年9月14日 22時) (レス) id: d64584d3be (このIDを非表示/違反報告)
ぴょんぴょん(プロフ) - すごい面白いです！こういうぶっ飛んだ降谷さんも大好きです！赤星ってどのくらいの投票でなるんでしょうかね。とりあえず周りの友達に宣伝してみます！ (2022年9月14日 22時) (レス) id: 78f9c276ca (このIDを非表示/違反報告)
エリンギ(プロフ) - 猫モドキさん» ありがとうございます笑 (2022年9月9日 17時) (レス) id: f698343d68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリンギ | 作成日時：2022年9月1日 10時
