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アレクシの気がかり ページ7
よく見たらずいぶん前から給水所にいったり来たりしてる女か。
その女というのはユミであった。
ユミは突然降ってきた液体に驚いてせっかく運んだ水をこぼしてしまった。
この香りはワインだわ。
あの窓のところから落ちてきたのかしら。
きっとあの中にいる貴族がワインを捨てたのね。
ユミはすぐにバケツを持ってまた給水所に引き返す。
もう、髪や服が紫色に染まっていることなど
しょうがないとしか思わなかった。
どこにでもいそうな平凡な女だ。
花とかでも売ってそうで、清潔感のある白い糸みたいなやつが
裸足であちこちに傷を残して手を震わせて水を運んでいるのか。
気の毒だね、とアレクシはささやいた。
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作者名：三兄弟だんご | 作成日時：2018年6月19日 0時
