恐怖で支配 (ページ41)

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物ほどを知るページ41

アレクシは、一体どういった人なんだろうか。

今までは冷酷で人を平気で奴隷だと見ている人だと思っていた。
まさか、この方に初めてプレゼントされるなんて＿。

もしかしたら、人としての優しさが少しは＿。

その時、一人の女の人がアレクシの前に立ちはだかった。

いや、立ちはだかった。とは言えないかもしれない。非常に奇妙な動きをしながら、膝を震わせて何度も地面に崩れ落ちそうになっている。

体の神経が上手く機能していないのだろう。

最も、顔色が悪く、痩せこけて、不気味な笑みを浮かべている様子から麻薬を服用していることは明らかだった。

呂律の回らないまま、女の人は独り言のように話始めた。

「にぃちゃんよぉ。大層な金持つなんだろえな。分かるよ、そのきれぇいな服。今ありだけの金をよこしま。じゃなきゃ、殺すよ。ｱｯﾊｯﾊ」

そう言って、錆びたナイフを取り出した。

アレクシは表情を変えずに慣れた手つきで拳銃を取り出し、女の頭を貫いた。

瞬間、地面に崩れ落ちた女＿。

これがいつものことだというように街の人たちは特に驚きもせずにアレクシを避けて歩き続けていた。

貴族に、突っかかるから悪い。そうみんな分かっているのだ。

ユミはすぐに女の人に近づいて、ハンカチで出血を抑える。

白いハンカチが真っ赤に染まっていく。

「もう死んでる。よせ、行くぞ」

ユミはアレクシに対して何を言っていいか分からないらしい。

「..そんな、撃たなくても」

震えた小さい声。

「下俗の汚い女が俺に腐った口を聞くからだ」

いつもと変わらない表情で人を簡単に殺せるなんて。

ユミはアレクシの本当の怖さを今まで知らなかっただけなのだ。

＿本当に、悪魔みたいだ。