対決 ページ36
この人が＿＿妻！？
第二夫人がいたなんて、知らなかったわ。
お父様から何も聞いてないし、そんな素振りは無かったはずなのに！
それにこのおんぼろ娘が？
どうみてもアレクシ様に釣り合わないわ。
どうしてこんな小娘と＿！！！
ネイピアは腸が煮えくり返りそうなほどの熱が駆け巡っていたが
それを表には出さず、余裕を保とうと笑顔で応じる。
ユミはネイピア夫人が目の前にいることに、やはり緊張している。
アレクシに視線を移すも、アレクシは煙草を手に抱えて
地に視線を落としていた。
＿＿勝手にやれってことですか。
「こんにちは。第二夫人のユミです。
これからよろしくお願いします」
良かった。ネイピア夫人は凄く笑顔で優しそう。
もっと怖い人だったらどうしようかと思ってたわ。
「こんにちは。私はネイピアと申します。
どうか、この宴を満喫していって下さいませ」
ユミはネイピアの優しい笑顔に緊張しながらも
心が少し開いていた。
この人と結婚出来るなんて女の私でも嬉しいのに、
アレクシ様はなんで興味なさそうにしてるのかしら。
「ユミ、もういい。行くぞ」
アレクシがそう言えば、いきなり歩き出すものでユミはそれに着いてった。
残されたネイピア夫人は、
「第二夫人なんていらないのよ」
そう、呟いた。
そして、パーティーが終わり部屋に戻ってきた。
労働者として、農場やらで働いていた頃とは違う疲労がある。
それにしても、ご飯美味しかったあ。
＿いいえ、ちゃんと、仕事出来たかしら。
これでクビにされたら後がない。
なんとしてでも、この役目を全うしなくては。
それにしても、不思議ね。
前までは泥まみれで働いていたのに
今では三食毎日美味しいものが食べれてベットで寝れる。
精神的には疲れるけれど、それに比べたらどうってことないわ。
これくらい、妹と会うためになら＿。
そうして、時間がたつと夜遅く、もう寝る時間帯になっていた。
満月が雲に隠れることなく、夜空に一つ輝く。
いつもは、時々どうしてかアレクシはユミの部屋に訪ねてきてたが、
今日はネイピア夫人との初夜の日＿。
当然、今頃アレクシはネイピア夫人の部屋にいるはずだ。
しかし、アレクシは近くにいた使用人に伝える。
「体調が優れないから、そちらには今日行かないと伝えておけ」
「え、ええ。はい、、、」
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作者名：三兄弟だんご | 作成日時：2018年6月19日 0時
