恐怖で支配 (ページ34)

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婚礼式ページ34

ついに、婚礼式が始まった。

ユミはあまり目立たないように席のはしっこに一人座っている。

前の席や隣の席、すべてに人が密集していて、

否応にも規模の大きさがエリクタッカー家の権力を見せつけていた。

婚礼式でここまでの会場が手配され、

貫禄がある人たちばかりが集まっている。

それを可能にする人の第二夫人の役を全うしなければいけないなんて。

ユミは目の前にはっきり見える恐ろしさがあった。

すると、緊張でお腹が痛くなっているときに、地響きのような喚声が耳に入る。

驚いて前を見れば

「ここにて、モハメド様(アレクシの父)から

承認を得たり！

アレクシ夫妻の誕生である！みな、拍手を！！」

なりやまない拍手に加え、席から立ち上がり何かしら叫んでる人もいる。

地面が揺れるほどの歓声はすぐには鳴り止まなかった。

ただ、ユミはそれを第三者の気持ちで眺めてるばかりだった。

笑みを浮かべてお辞儀をしているネイピア夫人(アレクシの正式夫人)。

とても美しくて綺麗な人＿。

それなのに、アレクシは一人、拍手が鳴り止まないうちに

さっさと会場から降りていった。

婚礼式とは思えない雰囲気だ。

降りれば壁に寄りかかり、煙草を手に取る。