●BROTHER【M】 ページ3
物凄く、顔が良い男友達が居る。
とにかく、顔が良い。
彫りが深くて、ギリシャ彫刻みたいだ。
だけど塩顔な平たい顔族が好きな私にとっては、その顔が良い男友達はあくまでも『男友達』でしかなかった。
恋愛の対象には、ならなかった。
出会ったのは高校の頃。
私の彼氏の友達が、潤だった。
初めて対面した時の印象は「人形か...！」で、まぁ今とそんなに変わってない。
ただ「コイツは絶対に冷たい。こんなに顔が良いんだから、高飛車に決まってる。私なんて、虫けら扱いされるんだ」と思ってたけど、潤は全然そんな人じゃ無かった。
虫けら扱いは若干されてるけど。
多分、気が合うんだ。
好きな映画とか、好きな小説家とか、嫌いな食べ物とか、嫌いな虫とかが同じ。
だから潤と居るのは、本当にラクだ。
どれ位ラクかと言うと、高校を卒業して彼氏と別れてからも潤とは会って遊ぶ位に。
服の趣味も似ていた。
だから一緒に買い物にも行った。
その度にお店の女性スタッフが潤にウットリしてるのは、やっぱ同性だからすぐに感じる。
そして、同時に私が「何故この女が...？」と思われてるのも、やっぱ同性だからすぐに感じる。
それを潤に言うと、いつも「気のせいだって」と笑われた。
絶対に気のせいじゃない。
「気のせいなワケあるかー！絶対に潤のコト見てたから、あの店員さん！」
「あーもー、だったら何なの！」
「モテるってどんなお気持ちですか？」
「うぜー」
芸能リポーターばりに手をマイクにしてウリウリしてる私を、潤は肘でグイグイ押して来る。
「お前だってモテたら良いじゃん。モテるのなんか、簡単なんだし」
「はっ！？何それ。鬼のような事を言うね...今日から鬼潤と呼ぶわ...」
「お、強そう」
潤は、「じゃあ、Aは子鬼な」と笑った。
「何で私が子鬼？こんな優しいのに？」
「俺の子分だから」
「うそ。私、いつから子分になってたの？」
「出会った頃からかなー」
「友達の彼女を『子分』だと思ってたなら、潤は本当に鬼だよ」
「アハッ！さすがにそれはマズイか！」
私達は大学生の時も就職してからも、それぞれに恋人が出来ても失恋しても、何も変わらず友達だった。
きっと、私にとって一番近くに居るのは潤だし、潤の一番近くに居るのも私。
女友達よりも私の事を知ってるし、私も潤のコトを知ってる。
まるで私達は兄妹みたいだな、と思う。
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めぐお(プロフ) - 久しぶりに読んだイロコイ。やっぱり大好きなお話です。残してくれてありがとうございます。 (2022年9月16日 16時) (
レス) @page47 id: 17cbbe6ec7 (このIDを非表示/違反報告)
莉依(プロフ) - 何度読んでも、やっぱりイロコイのお話は良い。大好き。 (2019年1月8日 0時) (レス) id: c571097cf8 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 結城ちゃんがビール飲めるようになってることに感動です( ；∀；) (2018年8月24日 15時) (レス) id: f393ece0e8 (このIDを非表示/違反報告)
mama(プロフ) - やーっと読むことができました。先生の『行間を読みなさい』が久々に聞けてドキドキしちゃいました。それぞれの恋のはじまりが丁寧に伝わりました。もう、恋をする年齢ではないけれど、お話の中では恋をしていきたいな。レイさん、いつもありがとうございます。 (2018年8月14日 6時) (レス) id: dc084211e8 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - イロコイ…続きが拝読出来て感動♪それと大野さんの「ともちゃんが猫を拾ったあの時、おれは恋を拾った」に心臓がドキューンと殺られたｗｗｗ (2018年8月8日 21時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2018年5月21日 18時
