＊ ページ28
．
「………私達は、何処かで……お会いしたことがありますか？何故か貴方とは初対面な気がしなくて。
勘違いならそれでいいんです。変なこと言ってすみません。」
月彦「………Aさん」
「はい」
月彦「今日はとてもいい天気ですね。
日も照っていて外に出るには絶好の日だ。」
……あれ、もしかして私の質問スルーされてる？
月彦さんは私の手を繋いだまんま話しながら歩いてる。
月彦「……約束、やっと果たせました。」
「………え」
月彦「貴方と…、日の下をこうやって一緒に歩くことです。」
《……生きている内にお前と一緒に日の下を歩いてみたかった》
夢。いつか見た夢。
既視感はきっとそれだ。
月彦「Aさんは前世、というものを信じますか」
「ぜん、せ…。」
月彦「信じ難い話でしょうが、私には前世の記憶がうっすらとだけあります。」
「！」
月彦「…それが前世の貴方との約束でした。
おかしな話でしょう、笑ってくださっても構いません。｣
月彦さんはそれ以上のことは何も語らなかった。
ウォーキング中はずっと世間話をしていた。
彼の話は面白くて、話が途切れることは無かった。
話し上手ってこういう人の事いうんだろうな。
気づけば夕方。どんだけ歩いていたんだ私達。
月彦「付き合っていただいてありがとうございました。」
「いえいえ！とっても楽しかったです！」
月彦「それはよかった。ちゃんと暗くなる前に帰ってくださいね。では」
「あの！」
あなたの事も、前世のことも何もかも憶えていない。だけど一つだけ確かなことがあった。
「また、逢えますか！」
月彦「！
毎週日曜日今日と同じ時間、私はここにいますので」
「……っ！！わかりました！」
きっと私はこの人が好きだ。
月彦さんに手を振ると、彼も素敵な笑顔と共に振り返してくれた。頬が熱いのは運動のし過ぎだけじゃない。
………
左京「おかえりなさいです、Aさん。
おや、何かいいことありましたか？」
「えへへ、好きな人が出来たんだ」
左京「！！
右京！！右京大変ですよぉぉぉ！」
右京「よっしゃぁぁ原稿終わったァァァァァァ！！！」
「二人ともうるさい！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3085人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふゆねこ(プロフ) - 今更ながら全て読ませて頂きました！！とっても面白くて大好きです！！！最後の方ずっと泣きっぱなしでした笑 素敵な作品に出会えてとても嬉しいです！！ (8月14日 14時) (
レス) id: 8e85720291 (このIDを非表示/違反報告)
あいみ(プロフ) - 一から全部見させて頂きました！！！何かもう、最高すぎて、途中鳥肌たったり。最後もう感動しすぎて、号泣しましたよ。最ッッッ高です！ほかの作品も更新頑張ってください！ (2022年6月13日 13時) (レス) @page30 id: 2cf40cafe5 (このIDを非表示/違反報告)
指切り(物理) - 素敵な作品をありがとうございましたァァァァァァ！ (2022年4月29日 19時) (レス) @page30 id: dfc5bee49e (このIDを非表示/違反報告)
桃の缶詰 - 面白すぎて1日で読み終えてしまいました！！すごい感動しました。この作品の設定とても好きなので、番外編とか書いて下さると嬉しいです。お忙しいと思うので、書きたくなったらお願いします！！ずっと待ってます！！！ (2022年2月25日 21時) (レス) id: d0d8222ebf (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃん(プロフ) - 全部読み通しました！めっちゃ感動しました！ありがとうございます😭 (2022年1月2日 15時) (レス) @page30 id: 383abb7ef4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：翔月 | 作成日時：2020年10月9日 16時
