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「…………そ、そらるさん……………」
俺の家に着き、“とりあえずお風呂に入ってきなよ”という俺の言葉に素直に従って入ってきた彼女が、控えめにドアを開けて俺のいるリビングへ来た
“こっちおいで、髪の毛乾かしてあげるから”そう言って俺の目の前をトン、と叩けば、彼女は俺の目の前に来てゆっくりと座り込んだ
テレビも何もつけていない部屋の中、まだ止まない雨音と彼女の髪を乾かしているドライヤーの音が響く
「………はい、乾いたよ」
カチリとドライヤーの電源を切れば、途端に静かになる
ありがとうございます、と髪の毛を触りながらそう言った彼女は、俺の方に向き直ってまっすぐに瞳を見つめた
「………………そらるさん、」
「うん、なぁに？」
俺の名前を呼んだ彼女に微笑みながらそう聞き返せば、彼女は言い辛そうに口を開いた
「…………この前のこと………怒ってないんですか」
─────この前のこと
それはきっと、あの日……俺の腕を振り払ったことだろうか
何にせよ、俺は彼女に怒った記憶なんてないので“怒ってないよ”そう答えると、彼女は泣きそうな顔をした
何でそんな泣きそうな顔するの、と彼女の頭に手を置けば、ポツリポツリと話し始めた
「…………あの日……………義姉にもう会うな、って言われて………もう、そらるさんと会うのは最後にしようって、あんな事言ったんです」
言い訳した所であの事が無くなるわけじゃないんですけど、と言って、彼女はあの時のことを話してくれた
俺が貸した服を洗っているところをさっきの義姉に見られたこと
二度と俺に関わるなと言われたこと
精一杯暴言を吐いて来いと言われたこと
「そらるさんに暴言なんて言えないし、だけど義姉は怖いしであんな事してしまって……本当にあの言葉通りですよね」
“結局は自分が1番なんですよ、私はそんな狡い人なんだから優しくされちゃ駄目なんです”
そんな事を言った彼女を、俺はふわりと抱き締めた
“そらるさん……？”と俺の腕の中で呼び掛けた彼女の肩に顔を埋めながら、俺は口を開いた
「……………そんな事、言わないで」
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通りすがりの乙姫様 - 完結お疲れ様でした！めちゃ感動しちゃいました…！！他の作品も頑張って下さいね！！ (2017年12月31日 20時) (
レス) id: 3bd615decd (このIDを非表示/違反報告)
(仮)そうけんびちゃ - お疲れ様でした！夢主ちゃんと俺の性格と似つかなくて何かおぉう、、、天使ぃみたいな感じでしたw自分やとあｱ？つって殴ってましたw (2017年12月24日 10時) (レス) id: 3ca494f799 (このIDを非表示/違反報告)
Mai - 綺麗なお話ですね…！このお話なら長編でも根気よく読めそうです(笑)お伽噺シリーズ、楽しみにしています！(少しだけ、最後に裏切った(？)人に腹が立ちまs(( ) (2017年11月15日 19時) (レス) id: c608e0f4fb (このIDを非表示/違反報告)
世界崩壊轟(プロフ) - なんだこのすごい感動する話。 (2017年11月11日 15時) (レス) id: c47e759a56 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - なんか…もう言葉が出ません…最高か…シリーズ化楽しみにしてます…（萌死） (2017年11月6日 21時) (レス) id: df5db280b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きゃろっと。
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年11月3日 15時
