しにたがり【地縛少年花子くん】 (ページ3)

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2話ページ3

「こんな奴が妹なんて源先輩も可哀想〜」

「源先輩に謝りなさいよ！！土下座でもして！！こんな出来損ないが妹で申し訳ありませんって！！」

いつもの悪口を聞き流していると、無理やり私を立ち上がらせた女子は私をトイレに閉じ込めよう、と提案した。それに乗った他の女子は私を強引に引きずり、トイレの扉を思いっきり開けた。

そこに居たのは、女の子と、もう1人。多分同じくらいの歳の、男の子。

「あれ？八尋さん…だよね？八尋さん一人で何してるの？」

「え！？あっ！掃除！…あの、その子は…？」

1人、と言った。ということは男の子の方は怪異…？よく見たらふよふよと浮いてるし。

私が何も言わないように、掴まれた手首にかかる力が強くなる。微かに顔をしかめると、キッ、と睨まれた。

「え？あー、ちょっと色々あって怪我しちゃってね、手当できる場所ないかなーって思って」

「そうなの？ごめんね、私絆創膏しかなくて…保健室で診てもらうといいかも」

「わかった！そうするね〜。みんな、行こ！！」

「じゃあね、八尋さん！クラス違うけどまた今度お話しよ！」

「ちょ、ちょっと待って！！」

途端に叫び出したその子に向かって、彼女らは怪訝な目を向けた。

「その、もう暗いし、危ない、から…先に行ってて！この子は私が保健室に連れていくし、」

「え、でも…」

「やばい！！そろそろ源先輩が昇降口から出てくる時間！！早く行こ！！」

「え、やば！！それじゃあ八尋さん、お願い！Aちゃん！！《くれぐれも変なことは口走らないでね》♡」

最後に釘を指した彼女らが出ていった。八尋さん、と呼ばれた女の子が恐る恐ると声を掛けてきているのを理解したけど、体力を消耗しきった私はそこで意識を失った。

怪異の男の子との契約により日々トイレ掃除をさせられる私。そんなある日、いつものトイレに女の子が4人やって来ました。1人はボロボロで、あとの3人は何やら楽しそう。

1人は、制服はごみだらけで汚れて、腕や顔にはたくさんの痣が。額は切れて、どくどくと血が流れている。
嫌な予感のした私は、咄嗟にその子を引き取り、3人は帰っていった。

「は、花子くん…これって…」

「いじめ、だろうね」

とにかく早く手当しなきゃ！そう思った私は旧校舎の空き教室に移動し、花子くんに救急箱を貰って(どこからだしたかはわからない)、顔の傷から消毒を始めた。