しにたがり【地縛少年花子くん】 (ページ14)

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14話ページ14

彼の言葉がどうしても胡散臭く感じてしまって、顔を歪めた。

「別に求めてない、そういうの。」

「そうはいってもそういうヤクソクだしさ？仮に俺がAをグサってやっても、お代は貰えないわけじゃん？」

「そ、れは…」

そこまで考えていなかった私は思わず口を噤む。

「ま、俺を呼び出した以上返品不可ってことで、代償は貰うよ。君の時間。どうしてもって言うなら俺の気が済むまで働いてもらうよ。先払いてしてネ。

てことで昼休み、またここにに来てね〜」

ヤシロがのんびりしたいって言ってたから。そう言ってヒラヒラと手を振って背を背けた花子さん。風が吹いたと同時に砂が舞い上がって目をつぶった。再び目を開いた頃には花子さんは姿を消していた。

「…人間相手じゃないだけマシ、か…。」

今度こそは本当に保健室へ向かい、ベッドで眠った。私は元々顔色が良くないので、先生にいえばすぐに利用許可が下りる。利用者リストのところに名前を書き、先生の「担任には報告しておくわね」という言葉を聞き流して眠りについた。

浅い眠りの中、先生の声が聞こえ、うっすらと目を開く。

「おはよう、源さん。昼休みになるから起こしたんだけど…体調はもう平気？」

浅い眠りだと思っていたけれど、気づけば四時限目の授業が終わっていた。先生にお礼を言い、先程言われた通り屋上に向かう。そこには既に2人が待機していて、私の姿を捉えれば元気よく声をかけてくる。

「ちゃんと来てくれたんだね、イイ子。」

私の頭を撫でる透けた手を払い落とし、八尋さんの隣に腰を下ろす。

「は〜。イケメンが空から降ってこないかしら…」

哀れみの目を向ける私たちに気がついたのか、虚無感のある顔でブツブツと呟く。1人勝手に寧々ちゃん劇場、なんてものを開いていた。

「Aちゃんは？憧れるシチュエーションとかないの？理想のタイプとか！」

「花子さんの顔はタイプ。」

「そうなの！？」

「性格は弟の担任みたいな人が理想」

しつこく問い詰められるのも嫌なので、素直に応えると2人とも衝撃を受けたような表情をしていた。

「え〜？俺じゃ満足出来ないわけぇ？」

私の頬を掴み、無理やり視線を合わせる花子さん。慣れてない私はグイグイと押し返すものの、ほぼ無意味。

「いい加減に───」「そこまでだ！」

して、と言いかけたところで乱入が入った。よく聞きなれた声だった

「見つけたぜ悪りょ…って姉ちゃん！？」

みられた