33.関係 ページ33
｢櫻井、さん･････｣
｢･･･んだよ、｣
｢今、･･･｣
｢あ？｣
恥ずかしそうに首に手を当ててそっぽを向く櫻井さん。
月の明かりで見える、少し赤くなった耳。
｢好きなヤツって･･･山本さんですか？｣
｢･･･バカなの？｣
｢いえ･･･｣
｢はぁ･･･、｣
｢あ、いや、分かります！分かってます！｣
｢分かってるんだ？(笑)｣
そういうこと、･･･だよね。
そういう意味･･･、だよね？
｢お前だけど、｣
｢･･････、｣
｢聞いてる？お前だよ、｣
｢･･･、山本さんは？｣
・
嬉しいけどね。
山本さんが手に入らないから、私を利用されるのは嫌なの。
山本さんに適わないのは知ってるけど。
それでも、私自身を好きになって欲しい。
｢スズカは、関係をやめられないだけ｣
｢え、･･･｣
｢もう、止めるつもりだけどね。さっきから連絡がすごい来てるんだけど、見てないから｣
｢え、･･･出なくていいんですか？｣
｢だって、･･･せっかくのお前との時間だよ？｣
砂浜を歩き出す。
私もその背中を追って足元を飲み込む砂浜に足を一歩踏み入れた。
｢確かにね、不倫してたよ。その時はね、まだスズカが忘れられなかった｣
｢･･･はい、｣
波が来るギリギリのラインを歩いてる櫻井さん。
距離もあるし、波の音でかき消されるからか、大声で話し出した。
｢スズカに、『私はやっぱり翔くんが好き。一緒にいたい』って言われた時は、素直に嬉しかった｣
｢･･････、｣
｢だけどね、お前がスズカに似てたんだよね。似てたから、最初はスズカだと思ってお前と接してた｣
｢･････････、｣
｢だけどね、よくよく見たら全然違う。顔もそうだけど、仕草も嬉しい時にする表情も癖も声も。似てたから、目で追ってた。それがね、日常になってて、気付いたらいつも目で追ってた、｣
｢･･･、｣
｢好きなんだな。って思ったらスズカとこんな関係やめようって思ったんだけどねぇ、･･･止められなかった。その話をしようとするとね、スズカが避けるんだよね｣
｢･･･、｣
｢俺、お前が好きだな。って気持ちが強くなる度にスズカと関係切らなきゃって思う｣
｢･･･はい、｣
｢だから、切るよ、俺はスズカと関係を切る｣
一度も振り返らずに、立ち止まった。
私も、少し距離のある所で足を止める。
・
・
｢──好きだ、｣
*
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アヤカ(プロフ) - いやいや、文章力あるよー！文才か笑笑ほんとに年下かよって思うほど文才ありすぎて怖いよ笑笑 (2017年6月17日 1時) (
レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - アヤカさん» うわー！！読んでくれたの？(;_;)ありがとう(><)面白いとか本当に飛び跳ねる勢いで嬉しい！！文章力はないけど！笑笑頑張るよーん！ (2017年6月17日 1時) (レス) id: bf7054af09 (このIDを非表示/違反報告)
アヤカ(プロフ) - みうー！そっこーで読んだよ笑笑面白かった！やっぱり文章力あって羨ましいわーこれからも頑張ってくださいませー (2017年6月17日 1時) (レス) id: e8965905e7 (このIDを非表示/違反報告)
piropa(プロフ) - りょーかいです (2016年8月15日 23時) (レス) id: ed1acedc9c (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - ゆーさん» 面白かったなんて嬉しいです(´；ω；｀)続編…書きたいと思っておりますので、続編始めた時にはまたお付き合いよろしくお願いします┏○" (2016年8月15日 20時) (レス) id: 2a9c614875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2016年1月17日 17時
