Laundry【ars K.N】 (ページ12)

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シページ12

「あ...あー...」

現在恋してる相手に、元カレの話をするとゆーのはどうなんだろう...とか思っちゃって言い淀む。

「あのね、A。そーゆーのはねぇ、同時に1個のコトしか出来ない人なのよ」
「同時に1個...」
「そ」

そう言うカズは、やっぱりゲームをしながらでも私とちゃんと会話をしてる。

「だったら、ゲームよりも私との会話を選んで欲しかったな...」

思わず漏れてしまった本音。

「まぁ、オンナノコはそー思うよな」

カズが、クスッと笑う。

「でもさ、しゃーないのよ。中毒性があるから、ゲームって」
「...中毒...」
「だから絶対に廃れないし更に発展するの。辞められないんだよ、酒や煙草と同じで」

結局私は、嗜好品に負けた...って事になるのか。
虚しい。
生身の女子なのに。
私には、ゲームに勝る物が無かったんだ。

「ただね、A」

むぅ...となってるであろう私の顔をカズが覗き込むようにする。

「ゲームに夢中になって彼女を疎かにしちゃう奴は確かに居るんだけどさ」
「うん」
「でもそれは、そのオンナノコに魅力が無いって訳じゃないから」

透き通るようなカズの目が、キュッと細くなった。

私の胸も、キュッとなる。やだ、乙女。

「でも...私が超魅力的だったら、ゲームよりもA！ってなって貰えたと思うよ？」

正直に思ってる事を言ってみる。

「んー...」

カズが上半身を倒して、顔をこっちに向けたままテーブルに頬をくっつけた。

「Aはじゅーぶん、魅力的だと思うけど。オレは」

じゅーぶん、って時に尖った口が可愛くて

可愛い顔してんなー...って思ってる所にその後に続いた台詞が追い打ちをかけて来た。

「...みりょ...く」
「うん。だって面白いもん」
「...え？面白い？」
「会話のテンポもリアクションも面白い」
「待って待って、それって魅力？」
「うん。つまんない奴よりずっと良くない？」

...何か、思ってたのと違う。
女子の魅力って『可愛い』とか『セクシー』とか、そーゆーのだと思ってたのにまさかの『面白い』。

いや、わかってるよ！
可愛くもないし色気も無い私がそんな言葉を頂けるとは思ってなかったけど！
いや、ちょっとは思ってたけど！
期待しちゃってたけどー！！

「それ...喜んで良いのかな」
「当然でしょ」
「そもそも『面白い』って、女子への褒め言葉？」
「オレ的には最上級の褒め言葉」

最上級...

もう、それだけで『面白い』が素敵な褒め言葉に思えた。
単純。