Laundry【ars K.N】 (ページ31)

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「あ、翔ちゃん。何言おうとしてたの？」

話が途中になってた事を思い出して尋ねる。

「博覧会に、日本からもう一社参加する事になったそうです」
「え...？こんなギリギリに？」
「はい。主催者側からの強い要望らしくて。そちらの社長様より会食のお申出がございまして」
「誰だよ...それ」

主催者側からの強い要望って何だよ。
すげー求められてんじゃん。
すげー期待されてんじゃん。

そんな会社、日本に.......ある。

「翔ちゃん、それってAIBER GAME？」
「はい。AIBER GAMEの相葉社長です」
「...くっそ、アイツか...」

最近爆発的に流行ってるスマホゲームアプリを出した会社だ。
そのゲームはアプリだけじゃなくて、ゲームソフトにもなってオレらの畑を荒らし始めてる。

やってみたら...悔しいくらいに面白かった。

「AIBER GAMEって、すげぇゲームクリエイターがいるんでしょ？」

Jの質問に、翔ちゃんが「SATOSHI OHNOですね」と答えた。

「SATOSHI OHNOかぁ...うちに欲しいなぁ...」

あのセンスと頭脳をうちの物に出来たら、二天堂はもっと上を目指せる。
そのビジョンがハッキリ見える。

「引き抜けないかな」
「相葉社長が、彼を手放すと思えません」
「アイツ、いけ好かねぇんだよなぁ...」

少女漫画から出て来たんですかー？漫画の中にお帰りくださーい。って言いたくなるような容姿で、『イケメン社長』だとか言われてる。

その上トーク番組なんかに出ると、どっか天然でウハハって笑う姿が可愛いとまで言われて、多分日本で10本の指には入る爆モテっぷりだろう。

イケメンで可愛いなら、オレだって負けてねぇわ！

「それ、自分で言う？」

笑ったJに言われて、心の中で言ったはずの言葉が外に漏れてた事を知る。

「とにかく社長。相葉社長との会食は、アメリカ到着の3日後ですから」
「...はーい」

車は、自社ビルの駐車場へ入って行く。

「ねぇ、翔ちゃん。頼みがあんだけど」
「はい。何でしょう」
「土曜さ、出発の前にランドリー寄ってくんない？」
「構いませんが...ランドリーの君に会われるんですか？」

大きな仕事の前に君の顔を見たら、頑張れる気がするんだ。

「ツバつけるっつったでしょ？」
「ククッ、下ネタ」
「うっせーな、Jは」

オレが帰って来るまで、だれのモンにもなるんじゃないよ？
そんなの許しませんよ。

王子が迎えに来るから待ってろよ。

なんつってな。

・・・『社長と秘書と運転手』END・・・