もし宝生永夢が罪歌を持っていたら ページ34
宝生永夢は、人を愛したことがない。
他人から見れば彼は、慈愛に満ち溢れた好青年だが、それは、彼の中にある罪歌があるからこそである。
宝生永夢は、ゲームと罪歌に依存している。
彼は変わらないものに依存して生きて、頼って、委ねている。だが、もしどちらか選ばなければいけない状況になったら、結局、罪歌を選ぶだろう。彼と罪歌には、それほど仲が深く。隙間がない程だからだ。
彼の上司の鏡飛彩にも、
彼の同士の花家大我にも、
かつて彼を毛嫌いしていた西馬ニコにも、
彼と休戦している檀黎斗にも、
彼の相棒の九条貴利矢にも、
彼を支えていた仮野明日那もといポッピーピポパポにも、
挙げ句の果てには、彼から生まれたパラドにも、
その隙間は、どうやっても生まれない。
それほど彼は、堕ちている
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
内から愛を叫ぶ声がする
「鮮やかでいながら身体を巡るうちにどす黒く堕ちていくあの熱い熱い血汁が好き!」
「柔らかいのに固くて簡単に裂けちゃう筋張った筋肉が好き!」
「どこまでもしなやかなのに脆くて鋭くてザラついた硬骨が好き!」
「震えるように柔らかくてサラサラとグチャグチャと纏わり付いてくる軟骨が好き!」
「触れ合った時にとってもとっても響く声で愛を囀り叫んでくれる喉が好き!」
「私の愛に答えてくれる瞳が好き!」
「愛が絶頂に達した時の……切り裂いた肉の断面がなりよりもなによれも愛おしくて。」
「なにもかも、なにもかもが好きなのよ」
僕は?
「貴方も愛しているわ!」
「貴方は最終的に私を選ぶのでしょう?」
そうだね。君に依存している僕は、最終的に選ぶんだろうね
「えぇ…そうね、私達は共依存のよりも恋人よりも愛人よりも激しい関係だもの!」
「愛している」
「愛している」
「愛している」
「愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している___
僕も愛している
「貴方はそんなこと思ってもいないのにね」
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作者名:非辻 | 作成日時:2017年7月19日 0時