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翔「ほんとうまそうに食うな」
「翔だって小動物みたい」
翔「口内(中)調味だよ」
「にしてもいれすぎでしょ」
翔「懐石料理でもないんだからいいだろ」
「まぁほっぺパンパンにしてても
育ちの良さにじみ出てるもんねー」
翔「Aだって老舗和菓子屋の
正式的な跡取り娘じゃん」
「弟でもできれば私なんていらないの
…なーんってね」
翔「…もしかしてさ継ぎたくねぇの？」
「翔にだけはうちあけるか…
そう、継ぎたくない
だって私の夢は受付嬢なんだもん」
翔「後半嘘だろ？
でも継ぎたくねぇってマジ？」
「まじ、大まじ」
翔「…だったら親の会社で
俺と一緒に働くか」
「いいの」
翔「親に説得すんのはAな
んで、説得できたらいつでも入社できるように親父に頼んどくから」
「ありがとう」
あと四年…
4年で親を説得させる
一人娘の私が継がないということは
先祖代々続いてきた店を閉めるということ
まぁその前に子供ができれば別の話だけど
母はもともと子供ができにくい体質で
私ができるまで何年もかかったと聞いていた
だから、なおさらショックは大きいはず
…言えるわけがないと先延ばしにしたのに
大月卒業の年に継ぐ気がないということを言ったらあっさり承諾されたことに驚いた
まぁそれも条件付きだったけど…
そんな事はどうでもよかった
継がなくてもいい
普通のひとりの人として生きられる
喜びしかなかった。
翔「おめでと」
「ありがと、なにもかも全部
…翔のおかげ」
翔「Aの努力の結果でしょ」
「やっぱり働くってなるとなにか変わるのかな？まぁ大学でゆったり、なんとなく勉強してるのとは違うよね」
翔「当たり前だろ笑
まぁ俺と同じ部署だから心配すんな」
「ごめんねなにもかも頼りきりで」
翔「奉仕活動大好き元ボランティア部、櫻井くんなんで気になさらず」
「わたしも元ボランティア部なんですけど」
翔「…なぁ卒業前にさ旅行いかね？」
「急になに、てかどこに」
翔「海外いくなら1週間あけたいけど俺の入社とかで親父が一週間の休みなんてくれるわけねぇから今回は国内で沖縄とかはどう」
「ふたりで？」
翔「できればふたりで
ってもあれよ？部屋は階でわけるし」
慌てっぷりが面白くて
ついいくって頷いていた
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作者名：和智 | 作成日時：2016年1月27日 0時
