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夜も明けきらない
朝の6時ごろ
冬ってなんでこんな暗いんだろ
重たい瞼をこじ開けても
隣に彼はいない
「会いたいよ…」
『誰に？』
微かな匂いだけを残していった
あの彼が目の前にいる
「えっうそ」
『そんな驚く？』
「驚っ…きますよ」
『敬語、無理に使わなくていいよ』
「あの…その昨日はなんというか」
『なに』
「ありがとうございました」
『はっ？』
「久々だったので
もうお肌ツルツルです！」
『…バカじゃないのあんた』
「やばっ！どこのどなたか存じませんが
ありがとうございましたイケメンさん」
『イケメンさん…』
昨日の資料のまとめするの忘れてた
医務室にイケメンを残し
後ろ髪を引かれながら
部署に戻った
「翔…？」
翔「んっ…あ、もう朝？」
「どうしたのこんな朝早くに」
翔「残業」
「定時に上がってたくせに」
翔「社長に言われて勉強会行ってたんだよ」
「夜の勉強会ですかぁー？
なんかやらしー」
翔「ちげぇよただの会食つぅか
親父とご飯食って仕事の話ししてただけ」
「ふーん…あっ！私のこと言っといてくれた？
課長になりたいみたいですって」
翔「いわねぇよ笑
つぅかこれ食う？昨日のだけど」
「ハムカツサンドっ食べる」
翔「色気より食い気か」
「色気より食い気ですよ？
昨日は違いますけど、むふふ」
翔「なにその気色悪い笑い」
「昨日はイケメンくんと熱い夜を…」
翔「疲れで夢でも見てたんだろ？」
「はい、ここ注目！」
首のちょっとした
服にギリギリ隠れるラインに愛の証。
翔「…まじかよ」
「どうついてる？
噛まれたなぁってのわかるんだけど」
翔「よかったな世の中には
Aみたいなやつが好きなもの好きがいて」
「お肌もツルツル」
翔「…ほら食え、酒も買ってきたけどまどうせ今日も残業すんだろうから夜飲め」
「どうせ！残業でしょうから飲まさせていただきます、でいくら？」
翔「部長をなめんなよ
お前の倍は貰ってるからこれくらい奢る」
「ありがたやー部長様ありがたやー」
翔「その代わり明日の夜ちょっと付き合え
レストラン予約してたけど女に逃げられたから」
「また？何人の女に逃げられてんの」
翔「本気じゃないから別にいんだよ
何人の女に逃げられようと」
「ま、ただでご飯が食べれるなら
私はどこにでもついて行きますけど」
彼との早すぎる再会は数分後…
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作者名：和智 | 作成日時：2016年1月27日 0時
