Clear‐Crane‐Crime 7th【ars M.A】 (ページ14)

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224.シルシ。ページ14

雅紀くんとそうなった後にシャワーを浴びる時は、彼の痕跡を探してしまうのが癖になった。

今日は、左の鎖骨の下と腰。
そこは紅い花が咲いたよう。

腰なんて、いつの間に...？って思うと、身体の奥の方がまた熱くなるみたい。

夢のように感じてた時間が現実だったんだって思わせてくれる証で、私にとっては大切なシルシ。

良い香りのするシャンプーとボディソープを使い、アメニティの化粧水で肌を整え、パジャマを着て部屋に戻ると

窓辺の椅子に足を組んで座ってる雅紀くんが、その口にポッキーを咥えてこっちを見た。

「Aちゃんも食べる？」
「うん、貰う」

彼の横に立つと「あーん」って言われて、口を開ければポッキーを入れてくれる。

「お菓子あげたから、イタズラさせろ」
「フフッ、何か色々と違う」

笑う私を、相変わらずローブを肌蹴っ放しの膝の上に座らせて後ろから抱き締めて来た。

「なぁんでパジャマなの？」

肩の上に顎を乗せて喋るから、ちょっとくすぐったい。

「...パジャマがあったから...」
「ローブもあったでしょ？」
「ローブはちょっと落ち着かないかなぁ...？」
「えっちで可愛いのに」
「......」
「えっちで可愛いのに」

何も応えずにポリポリとポッキーを食べる。

「俺、えっちで可愛いの好き」
「...フフッ」

あまりのしつこさと可愛さに吹き出してしまった。
ダンマリを決め込むつもりだったのに！

案の定、私はその後ローブを着せられて

「イタズラさせろー」って言ってる雅紀くんに弄ばれて

結局眠りに就いたのは、何時だったんだろう...

スマホのアラームが鳴って、目を開けると隣で雅紀くんが寝息を立ててた。

「...まつ毛長いなー...」

ソォっと瞼を人差し指で撫でる。
ちょっと迷惑そうな顔して眉間に皺を寄せる。

「フフッ」

鼻筋をツーっと撫でると、また迷惑そうな顔。

ほっぺたのホクロに触れると、くすぐったそうにちょっとだけ口角が上がる。
上がった口角を指でなぞって、ふっくらした唇を指先でトントンとノックして。

そのまま髪を撫でたら手首をギュっと掴まれて、ビックリしてると

雅紀くんの目がトロンと開いた。

「あ、ごめん。起こしちゃった？」
「...んーん、起きてた」
「そうなの？」
「どこまで触られるのかなー...？って」

掴まれてた手首にキスされる。

「おはようのキス、待ってたのに」

寝起きの掠れた声でそんなコト言うから

何だか母性擽られちゃって、「おはよう」とキスをする。