9-17.気高き龍 ページ17
点数は１対１の同点。白竜くんのほうを見やると、彼は悔しがる素振りも見せずに点数板を見上げていた。
「白竜くん、落ち着いてるね」
「焦る必要がないということだろう」
そういえば、白竜くんは汗もほとんどかいていないし息も乱れていない。彼はかなりの距離を走っているはずなのに。それに対して私は額から汗が噴き出ている。あまりにも試合の展開が早いので、追いつくだけで精一杯だ。
聖堂山のボールで試合再開。ボールはまたも白竜くんに回る。そして彼は一人で飛び出してきた。すさまじいスピードで雷門の選手の間を縫って突き進んでいく。
ランダムで起こる竜巻で視界が遮られる。それは相手チームにとっても不利なはずだが、そのような素振りを見せない。これがフィジカルの違いなのだろうか。
「行かせない！」
ハッとして顔を上げる。白竜くんの目の前に剣城くんがすばやく走りこんでいた。ついさっきまで私の近くにいたのに、いつの間にあそこまで戻っていたのだろう。
「剣聖ランスロット！」
赤いマントをはためかせ、ランスロットは白竜くんの前に立ち塞がる。
だが、黙って見ているだけの白竜くんではない。彼も負けじとシャイニングドラゴンを発動し、二体の化身が激しくぶつかり合った。熱い風がぶわりとフィールドに広がり、私は思わず腕で顔をかばった。
ぶつかった拍子に、ランスロットの鎧がひしゃげたように見えた。シャイニングドラゴンがその巨大な身体で体当たりし、ランスロットを強引に押しのけたのだ。
その衝撃で剣城くんが吹き飛ばされる。だが白竜くんの表情も決して涼しいものではなく、先程のことは彼もギリギリだったのだということが伺えた。
「どいてもらうぞ！」
シャイニングドラゴンと共に、白竜くんが空へと舞う。スタジアムの仕掛けで生まれた竜巻すら利用して。
化身も彼も真っ白で、ともすればそれは神秘的な光景に見えた。
「＿＿ホワイトブレス！！」
まばゆい光に目が眩む。あまりにも強い光が、目の前からすべてを攫っていく。足がすくむ。絶大な力を前にして、どう動けばいいのかわからなくなってしまう。真っ白な光は信助くんを飲み込み、雷門のゴールネットを破らんばかりに歪ませた。
観客席も呆然としているのか、一瞬スタジアムが静寂に包まれた。そして歓声、歓声、歓声。
疑いようもなく、白竜くんは最高のプレイヤーだった。
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春間(プロフ) - ミリアさん» 申し訳ないのですが、青天以外の小説を執筆する予定はありませんので、今回はご遠慮させていただきます。お誘いありがとうございました！ (2021年3月6日 19時) (
レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 一緒に合作しませんか？ (2021年3月6日 19時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます！ 実はイナイレ以外のアニメにあまり詳しくなく……ちゃんと全話観たのはギャグマンガ日和やここはグリーン・ウッドです！ (2021年3月6日 16時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年3月6日 13時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春間 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2021年2月20日 21時
