8-25.勝利の鍵 ページ25
「3D……?」
チームの大半が首を傾げている。納得したような顔をしているのは、天馬くんと剣城くん、それと錦先輩と信助くんだけだ。
3Dというと、「飛び出す」だとか「立体的」だとか、そういった意味あいの3Dであっているのだろうか。
「そっか、空中ならフィールドの影響を受けないんだ!」
天馬くんの言葉で合点がいった。ようするに、沈むフィールドからボールを引き離してしまうということだ。
「後半は3Dリフレクターという必殺タクティクスを使いたい。ドリブルを減らして、空中でパスを繋いでいく作戦だ。最初は俺と錦、天馬と剣城でやってみるから、みんなも把握でき次第参加してくれ」
体力の消耗が激しいと予想されるため、ハーフタイムの残り時間は体力の回復に専念しようと神童先輩から指示があった。
「A、おさまったか?」円堂監督が私の隣に腰掛けた。
「はい、大丈夫です。すみません」
「後半、出られそうか?」
「も、もちろんです!」
私はハッとして答えた。前半のミスをどうにか取り返したいと思っていたのだ。
円堂監督は、私の返事を聞いて満足げに頷いた。
「注目の後半戦が始まります! 準決勝へ進むのはどちらのチームなのか!? 最後まで目が離せません!」
後半戦、私は速水先輩と交代してフィールドに立つことになった。前半の途中で交代したため、体力も十分に回復できている。
「新雲、すばやいパス回しでボールは雨宮へ!」
すかさず天馬くんが雨宮選手の目の前に走り込む。絶妙な角度でスライディングの体勢をとった。
「ワンダートラップ!」
瞬く間にボールは天馬くんの足元にあった。
「いくぞ、3Dリフレクター!」
驚いているのもつかの間、天馬くん、神童先輩、剣城くん、錦先輩が、空中でパスを繋いで前線へボールを運ぶ。
彼らのスピードにやや気圧されながらも、私は敵陣へ上がっていった。化身の力で切り込んでいた前半よりも、こちらのほうがずっとスムーズだった。
問題は、どうやって相手ゴールを割るかということだ。
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春間(プロフ) - 爈久さん» 初めまして。コメントありがとうございます! 嬉しいお言葉をありがとうございます。今後も楽しんでいただけるようがんばります! (2021年2月7日 18時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
爈久 - はじめまして!初めてのコメント失礼します。1話1話の話の展開がオリジナルで書かれていらっしゃるので、大変読み応えがあり ホールケーキ1個分食べた満足感があります。笑 更新の通知を楽しみにしています。 (2021年2月7日 3時) (レス) id: 49ee71ecf2 (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - こころさん» コメントありがとうございます。励みになります! (2021年1月25日 14時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 面白かったです 続き楽しみにしてます更新頑張ってください (2021年1月25日 1時) (レス) id: eb962bcdd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春間 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時:2020年11月1日 14時