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8-20.水上の化身たち ページ20

ホイッスルが鳴る。ボールはすぐさま神童先輩に渡り、作戦通り三人が化身を発動した。

「一気に攻めるぞ!」

 新雲のフォワードを抜き去り、ディフェンスラインへと攻め込む。
 私は三人が攻めやすいように、三人と相手選手の間に割って入った。
 その時、また大きな音がしてフィールドの一部が沈む。私から見て敵陣の左側が沈み、わずかに波立つ水面が現れた。

「天馬、逆サイドに回れ!」
「はい!」


「行かせないよ、天馬!」

 食らいついてきたのは雨宮選手だ。もう追いつかれたのか。私は信じられない思いで雨宮選手を見た。
 彼は化身を発動しながら鋭いスライディングを繰り出し、天馬くんの足元からボールを奪った。飛ばされたボールはあわや水面へと思われたが、浜野先輩がギリギリのところでボールを取った。

「いいぞ、浜野!」
「任せてよ! なみのりピエロ!」

 向かってくる相手選手を必殺技で避け、浜野先輩は剣城くんへパスを出した。

「__ロストエンジェル!」

 ランスロットの深紅のマントがはためき、強力なシュートが繰り出された。
 しかし、相手キーパーは一瞬険しい顔をしたものの、剣城くんの化身シュートは止められてしまった。

「行けっ!」

 相手キーパーの投げたボールは、空を駆けて新雲の10番の足元へ降りた。

「来い! 海帝ネプチューン!」

「まだ化身使いがいたの……!」

 雨宮選手と佐田選手の攻略すらできていないというのに。私たちは慌てて自陣に引き返した。

「ハンターズネット!」
「通してもらうぞ!」

 ネプチューンが槍を振り回し、狩屋くんのハンターズネットを切り裂いた。
 しかし、狩屋くんが「しまった!」と振り向いた先には、ブリュンヒルデを発動した霧野先輩が立っていた。

「ここは通さない!」
「まだまだ……!」

 パワーは互角に思えたが、その競り合いは相手選手の立っているフィールドが沈んだことによって、強制的に中断された。
 ボールは霧野先輩の足元にあった。相手選手の表情が悔しそうに歪んだ。

8-21.実力の壁→←8-19.卑屈な祈り



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作品ジャンル:アニメ
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春間(プロフ) - 爈久さん» 初めまして。コメントありがとうございます! 嬉しいお言葉をありがとうございます。今後も楽しんでいただけるようがんばります! (2021年2月7日 18時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
爈久 - はじめまして!初めてのコメント失礼します。1話1話の話の展開がオリジナルで書かれていらっしゃるので、大変読み応えがあり ホールケーキ1個分食べた満足感があります。笑 更新の通知を楽しみにしています。 (2021年2月7日 3時) (レス) id: 49ee71ecf2 (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - こころさん» コメントありがとうございます。励みになります! (2021年1月25日 14時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 面白かったです 続き楽しみにしてます更新頑張ってください (2021年1月25日 1時) (レス) id: eb962bcdd2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春間 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/april_hrm  
作成日時:2020年11月1日 14時

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