8-16.灼熱の化身 ページ16
ボールが水面にあるため、沈んだフィールドが再び浮かび上がった時点から試合が再開される。雷門ボールで再開だったが、それをすばやく奪ったのは雨宮選手だ。
「行くよ、信助くん!」
雨宮選手の化身の手に光が灯る。まばゆく光るそれはいつしか炎が揺らめき、渦を巻きながらボールを覆ってしまった。
「サンシャインフォース!!」
巨大な炎の玉がゴールを襲う。信助くんは素早く化身を出現させて身構えた。
「まだだ!」
天馬くんが負けじと飛び上がってボールに食いつき、右脚で雨宮選手の化身シュートを蹴り返そうとする。火花がちらちらとフィールドに舞い散った。
「う、うぐ……っ!」
強大な力を持ったシュートを前に、天馬くんの表情が険しくなった。身体が震えて、今にも弾き飛ばされそうだ。
「天馬!」信助くんが心配そうな顔で叫んだ。
「だい、じょうぶ……くうっ!!」
その時、天馬くんがシュートの勢いに負け、フィールドに落ちてしまった。しかし、シュートの方も大きく軌道が逸れ、ゴールポストの上を通り過ぎていった。
「危なかったぁ」
「天馬、大丈夫!?」
胸を撫で下ろした天馬くんに、信助くんが駆け寄った。天馬くんは服の汚れを払いながら立ち上がる。
「俺は平気だよ」
「今の、すごいシュートだったね!」
「うん! 太陽、すごく強くなってる!」
シュートを阻まれた雨宮選手は、なおも不敵に微笑んでみせた。心からこの試合を楽しんでいる__そんなふうな表情だ。
「阻止されちゃった。でも、次は絶対決めるからね」
そう言って雨宮選手は片目を瞑った。
__彼にはまだ余裕がある。そう思うと、彼のことが恐ろしくなった。
サッカーの技術が高いことはもちろん、化身を出すまでのスピードが速い。しかも彼は、ほぼ一人でゴール前までボールを運んでいた。
「新雲学園のコーナーキックで試合再開です! 開始早々怒涛の展開、一瞬たりとも目が離せません!」
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春間(プロフ) - 爈久さん» 初めまして。コメントありがとうございます! 嬉しいお言葉をありがとうございます。今後も楽しんでいただけるようがんばります! (2021年2月7日 18時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
爈久 - はじめまして!初めてのコメント失礼します。1話1話の話の展開がオリジナルで書かれていらっしゃるので、大変読み応えがあり ホールケーキ1個分食べた満足感があります。笑 更新の通知を楽しみにしています。 (2021年2月7日 3時) (レス) id: 49ee71ecf2 (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - こころさん» コメントありがとうございます。励みになります! (2021年1月25日 14時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 面白かったです 続き楽しみにしてます更新頑張ってください (2021年1月25日 1時) (レス) id: eb962bcdd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春間 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時:2020年11月1日 14時