8-1.待ち合わせ ページ1
全国大会三回戦の翌日、私と白竜さんと、剣城くんが河川敷に集まっていた。
最初は私と白竜さんだけで集まっていたのだが、双方と面識のある剣城くんを呼ばないのもおかしな話ではないかということになり、急遽連絡を取ったのだ。
剣城くんが来るまでの間、白竜さんは自身と剣城くんの馴れ初めついて話してくれた。
ゴッドエデンという孤島で、短期間だが共にサッカーの特訓をしたこと。二人はお互いの力を高め合う最高のライバルであること。そう話す白竜さんの表情は生き生きとしていて、彼らにとってとてもいい出会いだったことを物語っている。
剣城くんが来てからも、ゴッドエデンの話は続いた。三人でパスを回しながら会話を続ける。
「ゴッドエデンではどういう特訓をしたの?」
聞くと、白竜さんは少し眉を下げた。
「厳しい特訓だった。寝る時と食事の時以外はずっとボールを蹴っていたな」
想像して震え上がった。どれほどサッカーが好きでもそれは不可能だろう。一試合走り回るだけで疲労が大きいのに、休憩なしで一日中動くのは無理だ。
しかし、二人はその特訓をこなしてきたのだ。
「フィフスセクターは、化身使いを生み出そうと躍起になっていたんだ」
「化身使い?」
「ああ」
ということは、やはり剣城くんが化身を出したのはシードとして特訓していた時になるのだろうか。二人がゴッドエデンにいたのは中学生になる前だから、小学校を卒業したばかりの春休みのことということになる。
「白竜さんも__」
そう呼ぶと、彼は「同い年だから呼び捨てで構わない」と微笑んだ。呼び捨ては気が引けるので「白竜くん」と言い直す。
「化身使いなの?」
「ああ。見るか?」
「いいの?」
「もちろんだ」
パス回しを一度やめる。剣城くんが白竜さんから少し距離を取るのを見て、私も同じように下がった。
白竜さんは目を閉じて少し俯いた。目元に影が落ちる。彼はフッと短く息を吐いたあと、一瞬で息を吸った。
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春間(プロフ) - 爈久さん» 初めまして。コメントありがとうございます! 嬉しいお言葉をありがとうございます。今後も楽しんでいただけるようがんばります! (2021年2月7日 18時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
爈久 - はじめまして!初めてのコメント失礼します。1話1話の話の展開がオリジナルで書かれていらっしゃるので、大変読み応えがあり ホールケーキ1個分食べた満足感があります。笑 更新の通知を楽しみにしています。 (2021年2月7日 3時) (レス) id: 49ee71ecf2 (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - こころさん» コメントありがとうございます。励みになります! (2021年1月25日 14時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 面白かったです 続き楽しみにしてます更新頑張ってください (2021年1月25日 1時) (レス) id: eb962bcdd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春間 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時:2020年11月1日 14時