308 元凶はブラックホール ページ33
この星から18万8千光年先の彼方にファラム・ディーテという太陽がある。その太陽系には知的生命体が住む星・ファラム・オービアスがある。そのもとに突如巨大なブラックホールが出現し、予測では数ヶ月後に滅びる運命となった。死の宣告を受けた彼らは、生き延びるため、銀河の他の星に向けて侵略戦争を仕掛けると宣言した。しかし、戦争は平和的ではない。そこで、オズロックの所属する銀河連邦評議会はファラム・ディーテに向けて、サッカーで勝敗を決めることとなった。
「ファラム・オービアスとは、最高の叡智と軍事力をもつ星。逆らうことなどできない。...本来ならば、醜い方法によって勝敗が決まるところを、銀河連邦評議会が最大限の交渉を重ねたことで、ここまでこぎつけたのだ。不毛な戦いは星を傷つけかねない」
なるほど。星の環境は宝というわけか。もともと戦争とはそういうものだ。より良い住環境を手に入れるため、人々は争い、住む権利を手に入れる。
「大会上位の星から自分たちの住む星を取っていく。だが、この銀河広しと言えども、知的生命体が快適に暮らせる条件の整った惑星は数える程しかない。巨大惑星であるファラム・オービアスの住人を収容するには、この銀河の居住可能惑星の98.819%が必要となる」
「ファラム・オービアスが優勝してしまえば、ほとんどの惑星が彼らに占領されてしまうということか。つまり＿」
「君たちがこの星を明け渡さずにいられる道は、優勝しかない」
その話が架空のものでないならば、極めて厳しい現実を突きつけられたことになる。驚くことに、既に先行して行われている別ブロックでは、ファラム・オービアスの決勝進出が決定しているという。
「その大会に優勝し、地球を救うために、お前たちは集められた。地球代表アースイレブン、それがお前たちだ」
私たちが戦ってきたのは、FFIV2アジア予選ではなかった。グランドセレスタ・ギャラクシーという生き残りをかける大会の銀河辺境Aブロック予選だったんだ。
「では、選手諸君には早速準備に取り掛かってもらおう。大会に出場するための旅立ちの準備をな」
「旅立ちって...まさか俺たちが宇宙へ！？」
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作者名：充滞 | 作成日時：2024年3月12日 16時
