151 サッカー部の現状は ページ18
天馬の部屋で雑魚寝をし、気持ちの良い朝を迎えた。まずは雷門中サッカー部が取り戻されたかどうかを直接現地に行って確認しに行く。ワンダバはぬいぐるみなので、家に待機することとなった。サッカー部に入ると、部員が一気にこちらへ注目した。
「天馬、A、遅いぞ！...あれっ、剣城先輩！」
「お久しぶりです。剣城先輩」
三国先輩曰く、優一さんは雷門中サッカー部のOBで、エースストライカーとして活躍していたそうだ。拓人くんは私たちを見渡し、不思議そうな表情で問いかけた。
「お前たち、剣城先輩と知り合いだったのか？」
「そういう訳じゃないんですけど...」
「色々あって出会ったの」
「待ってください、剣城は、剣城はどうなったんですか」
「失礼だぞ。呼び捨てなんて」
「そうじゃなくて、剣城京介！優一さんの弟で...まだ元通りじゃないのか」
「＿こうなったらみんなにも協力してもらおう」
フェイがそう呟くと、少し前に進んで一同に声をかけた。
「雷門中のみなさんにお願いがあります。グラウンドへ移動してもらえませんか。お見せしたいものがあるんです」
「見せたいもの？」
なんだなんだと言いながら皆は屋内グラウンドへ移動した。すると、しばらくしてからTMキャラバンが現れた。皆は声を上げて驚く。
「えぇ〜！？車が浮いてるぜ」
さらに、車内からワンダバが現れると、皆は腰を抜かした。
「ぬいぐるみが喋った!?!」
「なんだ？これ」
「これとは失敬な。テンマーズの大監督、クラーク・ワンダバット様だ！」
「クマぁ？」
「誰がクマじゃ」
「天馬、どういうことだ？」
すると、ワンダバの表面がピンク色に変化し、長々とした説明が始まった。
「私が説明しよう！今、未来では戦争が起きている！サッカーを消そうとする勢力と、サッカーを存在させようとする勢力の二極化が進んでいるのだ。君たちはその戦争に巻き込まれている。サッカーを消そうとする者を阻止するために、私とフェイは君たちにとって200年後の未来からタイムジャンプ してやってきた。ところで、君たちはパラレルワールドを知っているか？優一くんを含め、君たちは偽りの世界にいる。天馬くんやAくんが正しい世界に生きているのだ。今のままでは、偽りの世界が現実になってしまう。本来の流れに戻すためには、君たちの協力が必要なんだ。歴史の変更が定着する前に早急に...＿＿」
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作者名：充滞 | 作成日時：2024年2月22日 1時
