トリップ少女３【オリオンの刻印】 (ページ13)

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開始直後に豪炎寺さんが鋭いシュート「ラストリゾート」を放ち、圧倒的なシュート力で点を入れた。
明らかにこのフィールドにいる誰よりも著しく優れた選手だ。レベルが違う。

日本が勝つ、と確信したときだった。

試合中に豪炎寺さんが韓国選手と衝突し突然足を抑えた。隣の一星くんがバッと飛び出し彼の元に向かった。
ベンチに来た豪炎寺さんの足は赤く腫れていた。

「ご、豪炎寺さん…一体何が」

「豪炎寺！」
試合は一時中断し、鬼道さんが青ざめた表情で駆けてきた。替えの氷を一星くんが持ってきて患部に当てた。キャプテンも何が起こったのか分からないといった顔をしていたし、私含む皆がそうだった。

豪炎寺さんは歯を噛み締めて襲い来る猛烈な痛みに耐えながら辛うじて声を出し、断片的に語った。
「豪炎寺、何があった」

「分からない…、気づいたら倒れていた」

そして交代するのは…ヒロトだった。

ヒロトも豪炎寺さんと同じ罠にかけられたもののそれを回避する。ベンチからはそれがあまり見えない。

そして灰崎とヒロトが互いに自分が強いストライカーだと言い張りどちらが先に点を取るか競い合う。
それを見ている豪炎寺さんは呆れている…___のかと思いちら、と隣を見るとそれを見る余裕もないのかただ足を抑え、息荒くしながら苦痛に耐えていた。

下手に声をかけても迷惑になってしまうかもしれない。もし私が同じ境遇にあったらと考えるとそれが賢明だろう。

「……」

ただただ試合を見守っていた。
ラフプレーと高度なテクニックで圧倒する韓国。それに対していかにラフプレーを受けずに点を取れるか模索する日本。

結果は、日本の勝利だった。