通訳ヌナと…【Taehyung：2】

７人 -Taehyung- ページ46

その日の夜、
リハーサルを終えると
久しぶりに７人でご飯を食べようってなり、
僕の部屋にみんな集まってご飯を食べた。

７人だけってのは本当に久しぶりで、
なんだかみんなの笑顔を見ていたら、
昔の…
まだヌナがそばにいてくれた時のことを思い出し、
ゆっくりと…
本当のことを話そうと思い、言葉を繋いだ。

どれくらい1人で話してただろう。
ゆっくりと…思い出しながら話した。

その間、
みんなは質問することもなく、
ただ黙って聞いてくれた。

僕が感じてたこと。
僕が求めてたこと。

ヌナに距離を置こうと言ったこと。
嘘をついたこと。

そして…
ヌナにしてしまった酷いこと。
ヌナから言われてしまったこと。

それから今の体調のこと。
蕁麻疹の薬がないこと。

全部を話した。

自分の中だけに溜めてあったもの、
全てを言葉にし吐き出したら、
気持ちも身体も少し軽くなり、
少し楽になって。

バカだな…
何やってんだよ…

落胆する声や溜め息が聞こえるけど、
言葉には愛情や優しさを感じる。

こんなメンバーが周りにいつもいたのに、
僕は1人で…本当に何をやってたんだろう…

1人じゃないのに…

けど、ヌナがいなくなったことで
1人になったような気がし、
殻に閉じこもり、ずっと1人で…

でもそうなった原因は僕で、
それも僕の勝手な想いが原因で…

全てを話し、
心が軽くなり、
少し気持ちにゆとりができたら…
自分が本当に求めていたことがわかって。

自分の世間での立場がどうであれ、
ヌナの前ではただの年下の何もできない僕。

不器用で、甘えたで、子供で。

ヌナが好きだった。
本当に大好きだった。

２年一緒にいて、
あえて言わなくてもわかることも多々あった。

阿吽の呼吸で通じること、
空気で感じること。

でも全てのことがそうじゃないのに、
それはわかってるのに、
僕に対するヌナの気持ち、想い、考え…
それがどうしても納得いかなかった。

僕と同じじゃないから。

僕と同じようなことを言って、
僕と同じようなわがままも言って、
僕と同じようなヤキモチも妬いて、
それを全て言葉にして、態度にして、
僕は…
安心したかった。

変わらず好きでいてくれてるのだと、
同じなのだと、
それがこれからも、
一生、ずっと続くものなのだと、
僕は安心したかった。


情けなくて言えないから、
ただヌナの方から言って欲しかった……だけだった。

ただそれだけのこと -Taehyung-→←理由 -Taehyung-

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