料理 -Taehyung- ページ43
「あれ…僕もあの時テヒョンのそばにいたから覚えてるけど、テヒョン、全部食べたんだよね?おかわりを欲しがるくらい」
「そう。夜もこれがいいって言うから、またAに頼んだんだよ」
血の気が引くって言うのかな。
頭がクラクラしてきた。
思い出の扉を開けるのがすごく怖い今、
それでもゆっくりと開けた扉から、
鮮明に覚えてる色鮮やかな思い出が蘇る。
あの時、
体調が悪くて朝からのリハーサルも休んでた。
そのリハーサルの合間、
様子を見に来てくれたジミン。
ちょうどその時、
マネージャーが部屋に食事を持って来てくれて。
食事だよって言われた時、
どうせ食べれないし!って嫌な気持ちになったけど…
その瞬間、感じた匂い。
一気にお腹が鳴って、
お腹の中が動き出すような感覚がした。
匂いしかわからないけど、
身体がその食べ物を欲してるのがわかった。
ベッドサイドに運ばれて来たその食べ物。
白濁したスープから覗く牛肉。
コムタンスープに似た物だった。
それと、
真っ黄色なさつま芋が浮かぶお粥。
食べてみたい!って気持ちが湧き、
一口スープを口に含んで飲み込んだ瞬間…
身体中にスープが染み渡る感じがして、
本当に死ぬほど美味しかった。
すぐに完食してお代わりが欲しかったけど、
急に食べるとお腹にも良くないからって言われ、
じゃあ夜も同じ物が食べたいってお願いした。
その時、本当はちょっと思ったんだよ。
ヌナが作る料理に似てるな…って。
上手く言えないけど、
味付けって言うのかな?
それがなんか…
なんか食べてて、
まるでヌナの家でヌナの料理を食べてるような、
そんな気になったけど…
あり得ないことだと思って。
だってそうじゃん?
海外でホテル生活してるのに、
ヌナの料理が食べれるわけがないって。
「体調が戻ってからも、あのスープがずっとないと不安だってお前が何度も言ったのもあったし、他のメンバーも体調悪い時に食べてたり、お前の偏食もあるし……だから、それから頼むようになったんだよ」
「ずっと?」
「え?」
「いつもあったあのスープ。あの日からずっとヌナが作ってたの?」
「うん」
「どうやって?」
「え?」
「どこで?いつ作ってたの?」
「それは…俺にもわからない。本当に申し訳ないくらい、俺らも手一杯で、そのことは完全にA任せだったから」
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がほ(プロフ) - いとさん» こんにちは^ ^コメントありがとうございます!通訳ヌナからジヨンまで!全制覇?私の方がお礼を言わなきゃいけない立場です!本当にそこまで読んで頂いてありがとうございます(T-T)今日また少しUPしますので、お時間あればぜひ読んで下さいね。 (2020年12月30日 12時) (レス) id: ae37c6ad61 (このIDを非表示/違反報告)
いと - こんにちは。がほさんの作品はずっと読んでいて、通訳ヌナシリーズを何周かした後は、GDのものも全制覇したくらい大好きです。そのくらいファンなのに、コメントが初めてですみません…。テヒョン編の通訳ヌナも、今後の更新を楽しみにしています。 (2020年12月30日 0時) (レス) id: 04934ecf34 (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - miyaさん» こんにちは^ ^miya様…なんて嬉しいことを言って下さるんですか!?足りない所ばかりなのに、それでもそう言って下さり嬉しくてたまりません(T-T)応援ありがとうございます。また近々続きをUPしますね! (2020年12月17日 12時) (レス) id: 7925a63dc6 (このIDを非表示/違反報告)
miya(プロフ) - お忙しい中、更新ありがとうございます。がほ様の通訳ヌナシリーズが占ツクの中で1番大好きな作品です。応援してます(*´-`) (2020年12月16日 18時) (レス) id: 33136768cc (このIDを非表示/違反報告)
がほ(プロフ) - 美幸さん» こんにちは^ ^コメントありがとうございます!ユンギいいですよね〜。書いていて、私もドキドキしながら書いてます^ ^早くユンギメインのお話が書きたくてたまりませんが、テヒョンのお話はまだ続きますので、どうかこの先もよろしくお願いします^ ^ (2020年12月16日 12時) (レス) id: c74390b1f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:がほ | 作成日時:2020年8月29日 21時